小さくなっても同じ
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「あったよあったー!ダメ元で聞いてみたらこんなにも貸してくれたよー!」
ヒカリは持ってきた多くの子供用の服をあたし達の目の前に広げた。
「ねぇねぇこれなんてどう?ピカチュウの耳付きフード♪それともイーブイ?あっ!ポッチャマのもあるよ!」
「リュウ!」
「ミニリュウはユウに自分の服を着させたいのね」
「・・・ひかり」
「なーに?」
「ふくはこれちかなかったの?」
「そうよ」
「しょぅ・・・」
ヒカリが持ってきてくれた服。全部ポケモンの耳付きや頭のフードが付いた服で可愛いものばかりだった。
サトシは目の前の服にキラキラと目を輝かせていろんな服を手に取ってる。
「おれぴかちゅーにしゅゆ!ゆーこもぴかちゅーにちよ」
サトシがおそろいにしようと言ってきたがピカチュウの服は一着しかないため無理だ。
「しゃとち、ぴかちゅーのふくはいっちゃくちかないからあたちもぴかちゅーはむりよ」
「えーやだやだー!ゆーこもぴかちゅー!」
「やだっていっても・・・あっ。
しゃとち、ぴちゅーのふくがあったからあたちはこれにすゆよ」
「おっ、いいなぁ!ピチューはピカチュウの進化前だからある意味お揃いだぞ」
「・・・おしょろい?」
「うん」
何かピカチュウに似た服はないか物色していたらピチューの耳つきフードの服を見つけた。
タケシもフォローを入れてくれたおかげでサトシの駄々も収まった。
ガッカリするミニリュウに謝罪を込めて頭を撫でた。
こうしてあたしはピチューを、サトシはピカチュウの服に着替えることに。
「それじゃあサトシは俺が着替えさせるよ」
「じゃああたしはユウを」
「いやじぶんできがえゆから」
タケシがサトシをひょいっと抱き上げてぶつからないよう距離を取ろうとする。
あれ?そういえばこの時のサトシって・・・Σ!
「たけちまって「ぅわああああん!!!ゆーこーーーやだぁあああ!!!」
タケシを制止しようと声をかけるが間に合わず、サトシが大泣きしてしまった。
「たけちっしゃとちをおろちてっ」
「あ、あぁ」
タケシは言われた通りサトシを降ろし、サトシは泣きながら覚束ない足取りであたしに駆け寄ってきた。
(小さい)サトシから求められる感じに嬉しく思ってしまうあたしはちょっと(?)どうかしてると思う。
あたしもサトシに近寄り、サトシはあたしにガバっと抱きついてわんわん泣きだした。
あたしはサトシをあやしながら驚くタケシ達に説明する。
「ちぃしゃいときのしゃとち、あたちからちょっとでもはなれるとないちゃうの」
「そ、そうなのか・・・」
「でもなんとなくサトシらしいかも」
寝間着がサトシの涙と鼻水で濡れてしまい洗濯しなきゃと頭の片隅に置きながら必死にサトシをあやす。ミニリュウやピカチュウも手伝ってくれてなんとか泣き止んでくれた。
それからタケシを部屋の外に待機してもらい、ヒカリに手伝ってもらいながらサトシの着替えをして自分も着替えた。
着替えたあたしとサトシをヒカリは「可愛い〜!」とひたすら褒め、いつから持っていたのかカメラで写真を撮り始めた。
服を調達してくれたので我慢していたが、何枚も撮りまくるのでミニリュウに技の指示出すよと軽く脅して止めた。
こうしてあたし達は朝ごはん食べに食堂に向かった。部屋を出る前からサトシはずっとあたしの手を繋いでる。それもニコニコ笑顔で。
さっきからそうだけど、小さいサトシ可愛い〜!昔は自分のことでいっぱいで余裕が無かったけど、今ならサトシの可愛さがわかる!なんてもったいないことをしたんだ昔のあたし!
食堂に着けばジョーイさんから座布団を借りて座高を高くしてもらい、例によってタケシがジョーイさんをナンパしてグレッグルの‘どくづき’で退場された。
あたしとサトシはご飯を少なめにしてもらい、お子様用のスプーンが用意された。復活したタケシも揃ったところでようやく朝ごはんを食べ始めた。
だが、予想はしていたけど食べ物をこぼすサトシにあたしは自分のご飯を後回しにしてサトシの世話に回る。
「ほらしゃとち、しょんなにあわてなくてもごはんはにげないから。ゆっくりたべよぅね」
「うにゅ?」
「ユウがママに見えてきた」
「ユウ、俺がサトシを見るぞ。お前もご飯食べたらどうだ?」
「ありがとたけち。けどあたちはだいじょーぶだから」
「ゆーこ」
「ん?」
「あーん」
するとサトシが自分のご飯をあたしに差し出してきた。
それもとびっきりの笑顔で。
「うぐっ!」
「Σど、どうしたのユウ!?」
「ひかり・・・めのまえにてんちがいるよ・・!てんちがかわいしゅぎゆ・・!あたちちぬのかな?」
「落ち着けユウ。目の前にいるのは小さくなったサトシだ」
「わかってゆ・・わかってゆけど・・しゃとちがかわいしゅぎてもう、もうっ!」
「(・・・んん?)」
とうとう我慢ができずサトシの可愛さにあたしは悶えた。
この時、タケシがある違和感を覚えたみたいだけど、あたしはそれどころではなかった。
サトシの世話をしつつ、あーんしてくるサトシに悶えながらあたしもご飯を食べた。
朝ごはんを食べ終わるのにいつもより時間がかかったのは言うまでもない。
原因がわからずひとまず1日様子をみようということになり、タケシは買い出しに出かけ、ヒカリは次のコンテストに向けて練習をしてる。
初めヒカリのポケモン達にサトシが目をキラキラ輝かせてポケモン達と触れ合っていた。
ヒカリがあたしとサトシのポケモンも出したら?と提案してきたが、あたしもだけど中身も幼児化したサトシを見たポケモン達が困惑するだろうし、ミニリュウやピカチュウがいるから大丈夫だと思いやめた。
今あたしとサトシは手を繋ぎながらベンチに座ってヒカリのコンテストの練習を見学中。ミニリュウとピカチュウも側にいてくれてる。
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