シンオウ地方での旅立ち
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「ん?君は?」
「ナナカマド博士ですね。俺はトバリシティのシンジと言います。彼を待ってました」
「俺を?」
「ピカチュウとミニリュウは見つかったんだろ?バトルしようぜ」
男の子―シンジ―はナナカマド博士に自己紹介をするとサトシに再びポケモンバトルを持ちかけてきた。
もちろん、あたしが止める理由も断る理由ももうない。
サトシもピカチュウもやる気満々、サトシはシンジの勝負を受け入れた。
「おう。受けて立つぜ!俺はマサラタウンから来たサトシ。ポケモンマスターを目指してる。よろしくな」
「ピカチュ!」
「うむ。ならば裏庭に来なさい」
ナナカマド博士が裏庭を提供してくれて、タケシが審判を買ってでた。
サトシのシンオウに来て初めてのポケモンバトルにあたしは思わずワクワクしてしまう。
「サトシっガンバって!」
「おう!」
「あたし、ポケモンバトル生で見るの初めて!」
「だったらよく見てろよ。ポケモンバトルって燃えるんだぜ!」
「フッ」
「何がおかしい?」
「ずいぶん無邪気だなと思ってさ」
「何!?」
「ルールは3対3、交代なしで1体ずつ戦わせて、先に2勝した方が勝ちだ」
「いいぜ!ムックルキミにきめた!」
「バトルスタンバイ!いけムックル!」
まずはムックル対ムックル。シンジは先攻をサトシに譲り、サトシは‘でんこうせっか’を仕掛けた。
‘でんこうせっか’はシンジのムックルに当たるが大したダメージにはならない。というか、わざと当ててサトシのムックルの攻撃力を測った?
サトシのムックルはなんとか頑張ったけど、シンジのムックルの‘つばめがえし’で負けてしまった。
「戻れムックル。よくガンバったな」
「技の気力をスピードでカバー。戦略もガタガタ。お前のムックルには同情するよ」
いろいろと一言が多いシンジに文句を言ってやりたかったけど、当たっているため言い返すことができず我慢した。
そして2体目としてサトシはエイパムを、シンジはヒコザルを出した。
エイパムとヒコザルのバトルはヒコザルが有利かと思われたが、サトシの臨機応変さでエイパムはジャンプしてヒコザルの‘かえんぐるま’を躱し‘きあいパンチ’を当て、ヒコザルは戦闘不能となった。
シンジがヒコザルをモンスターボールに戻した際「コイツはまだまだ使えない」って聞こえたような気がした。
これで1勝1敗。サトシは最後にピカチュウを、シンジはエレキッドを出した。
「‘ボルテッカー’が使えるのはソイツか?」
「だったらどうした!?」
「いや」
「ピカチュウ‘10まんボルト’!」
「ピィカヂュー!」
サトシの指示でピカチュウはエレキッドに‘10まんボルト’を浴びせるが効果はいまひとつ。
対してエレキッドはピカチュウに‘かみなり’を浴びせた。
エレキッドの‘かみなり’は確かに強力だけど、きっとそれだけじゃない。
「なぜお前に先攻を譲ったかわかるか?」
「?」
「ピカチュウの‘10まんボルト’でエレキッドの‘かみなり’をパワーアップさせてもらったのさ」
やっぱり。相手の攻撃を利用するとは、思わず感心してしまう。
「だったらコレならどうだ!‘ボルテッカー’!」
「エレキッド‘まもる’!」
ピカチュウの‘ボルテッカー’はエレキッドの‘まもる’で防がれてしまう。
‘ボルテッカー’は自分にも反動がくるから、ピカチュウだけがダメージを負ってしまう。
あのシンジって子、攻守をうまく使いこなしてる。ナナカマド博士の言う通りなかなかできる。サトシとはまた違うタイプのトレーナーね。
サトシはピカチュウに‘アイアンテール’を、シンジはエレキッドに‘かわらわり’を指示し、両者の技がぶつかり合う。
だが、
「気付いてるか?ピカチュウは‘アイアンテール’でこちらに背中を向けているがエレキッドはまだ片手が空いてる!」
「Σあっ!」
「‘かみなりパンチ’!」
「‘アイアンテール’だってまだ途中だ!いけー!」
ピカチュウはエレキッドの‘かみなりパンチ’を躱し、エレキッドに‘アイアンテール’を当てた。
しかしシンジもエレキッドにもう一度‘かわらわり’の指示を出し、こちらもピカチュウに当てた。
両者初めは攻撃受けても立っていたが、ピカチュウそしてエレキッドは倒れ、両者戦闘不能となり引き分けとなった。
「ピカチュウ・・・」
「パワーは互角だったな」
「いや、先に倒れたのは俺のピカチュウだ。俺の負けだ!」
「こんな結末じゃ、勝ったとは言えない」
サトシは負けを認めようとするがシンジは納得せず。
そして最後のムックルも逃がした。
「また逃がすのか!?」
「あの程度のムックルなら他にもいる。もっと強いヤツをゲットした時に手に入れればいい」
「何ぃ!?」
「サトシっ」
「博士、場所を貸していただき、ありがとうございます」
「うむ」
シンジのやり方に気に入らないサトシが突っかかろうとするので、あたしは腕で押さえた。
シンジはナナカマド博士にお礼を言うと立ち去る。
「待てよシンジ!もう一度俺とバトルだ!」
「サトシっ!サトシのポケモンもシンジのポケモンも疲れ切ってるんだよ。そんな状態じゃお互いまともなバトルなんてできないよっ」
熱くなってしまってるサトシにそう諭そうとするが、サトシはシンジの方しか見てない。そのシンジは無視して行ってしまうが。
この時、シンジとは度々ぶつかることになるとはあたしもサトシ達も知らない。
なにはともあれ、ようやくあたし達のシンオウ地方での旅が始まった。
終わり