別世界でも歌は素晴らしい
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前夜祭まで時間があるのであたし達は思い思いに時間を潰すことに。
ヒカリとノゾミは明日のコンテストのための調整をしに、タケシは綺麗な女性を複数人ナンパしてグレッグルの‘どくづき’を受けてどこかに引きずられ、ジュンはボイストレーニングだと言ってどこかに行ってしまった。
そしてあたしはサトシとサトシの相棒のピカチュウ、そしてあたしの相棒のミニリュウと共に屋台を見て回ってる。
「いろんなお店が出てるねー」
「リュウ」
「ピカピカ」
「おっ。ソフトクリームだって。ユウソフトクリーム食べようぜ」
「はいはい」
サトシに手を掴まれソフトクリームの屋台に連れて行かれる。
・・・・・て、
「すみませーん、ソフトクリーム2つください」
「Σっ!!・・・は、は〜いただ今~」
店員の人があたし達を見るなり驚いた顔をするが裏声を使って接客してソフトクリームの準備に取り掛かる。
というか明らかに見覚えのある3人組なんだけど・・・もうロケット団辞めればいいのに。
「はいどうぞ」
「ありがとうございます。ほら」
「・・・あ、ありがとう・・・」
代金を支払って物をいただくのは至極当然の事なんだけど、あたし達のお金がコイツらのムダなメカづくりの資金だと思うと素直に喜べない・・・。
「あら。サトシ君にユウコさん」
「ん?あっ!シロナさん!」
ソフトクリームとにらめっこしていたら声をかけられ、振り向けばシロナさんがこちらにやって来た。
サトシは笑顔で迎えるがあたしはドキッと緊張してしまう。
というのも、実はあたしはシロナさんがちょっと苦手なのよね・・・ι
理由は、シロナさんと初めて会った時、シロナさんはサトシとシンジに向けて伝えた「すべての命は別の命と出会い、何かを生み出す」。その後あたしに笑みを向けてきた。
気のせいだとは思うんだけど、何故かその笑みが意味深な気がして、気になってしまい、いつの間にかシロナさんに対して苦手意識を持ってしまったのだ。
苦手だけど、あたしは気づかれないようになるべく平常心を保ちシロナさんに挨拶をする。
「ご無沙汰してますシロナさん」
「こんにちは。アナタ達も来たのね」
「はい。俺はポケモンバトルに、ヒカリは明日のポケモンコンテストに参加するんです。俺、絶対に優勝してシロナさんとバトルしてみせます!」
「えぇ、楽しみにしてるわ」
「それと前夜祭にも俺達出るんです」
「俺達って事はユウコさんも?」
「はい」
「以前ジョウト地方で開かれたカラオケ大会でユウの歌が一番盛り上がったんです」
「サ、サトシっ」
「あら、それは楽しみね」
「ア、アハハ・・プレッシャーが・・・ι」
「そんなに固くならなくていいわよ。リラックスリラックス」
「は、はい・・。そういえばシロナさんやメリッサさんがこういうイベントにゲスト出演ってちょっとめずらしいですよね」
「実はこの街の市長さんがポケモンリーグやグランドフェスティバルにも携わっていてね。その繋がりで」
「あ~それで」
シロナさんとメリッサさんが招かれた理由がわかった。
でなければ(こう言っちゃ悪いが)こんなお祭りのイベントにチャンピオンやトップコーディネーター兼ジムリーダーが来るなんておかしいと思ったんだよね。
「それにこの街の近くには森があって野生のポケモン達がのびのびと過ごしていてね、心がやすらぐの」
「へぇー!どんなポケモンがいるんだろ?ユウあとで見に行こうぜ」
「ポケモン達を驚かさないようにね」
「わかってるよ」
「フフ。2人共本当に仲が良いわね」
Σハッ!
野生のポケモンと聞いてこの3人組が捕獲を企んでいないか・・。
チラリと横目で見れば、ムサシ(らしき人)がなんか燃えていてコジロウ(らしき人)とニャース(らしきポケモン)がなんかやれやれといった感じになってる。
これは・・・カラオケ大会に出る気だな・・・。これなら大丈夫そう・・・。
シロナさんと別れた後あたし達は街の外れにある森に出向き、野生のポケモン達を見つけた。
「ホントだ、いろんなポケモン達がいる」
「そうだね。そうだ。みんな出てきて!」
「俺も!」
あたしとサトシは自分達のポケモンをモンスターボールから出し、野生のポケモン達に会わせる。
初め野生のポケモン達はビックリしてたけどミニリュウやピカチュウが明るく挨拶をしてくれたおかげで警戒心を解き、思い思いに遊び始めた。
「みんな仲良くなってよかったな」
「うん。・・・ん?」
「ユウ?」
ふと、小さな洞窟が目に入り、気になったあたしはそっちに歩き出した。
サトシも付いてきてあたし達は洞窟に入る。
明かりは無くて暗かったがリュックから懐中電灯を取り出して照らしたため何かにぶつかることはない。
一本道なため迷う心配はなく、1分ぐらい歩いたら行き止まりに当たった。
そこには石で作られた何かがあった。
「これって・・お墓?」
「なんでこんな所に墓があるんだ?」
「さぁ・・?ん?これって・・・」
お墓はかなり前に作られたもので、文字が彫られてるけどうまく読み取れない。
さらにそのお墓の前には石で作られたモンスターボールらしきものが置かれている。
もっと見ようとソレに手を伸ばすが、突如嫌な感じを察知し、手を引っ込めた。
「どうしたんだよ?」
「っ!!だめっ!!」
あたしがソレを手に取らなかったからサトシが代わりにソレに手を伸ばす。
あたしはサトシの腕を掴み止めた。
「ユウ?」
「ほ、ほら、お墓にあるってことはお供え物か何かでしょ。不用意に掴むのは良くないよ」
「えー?」
「えーっじゃない。だいたいサトシ、前にもこんな形のものを手にして取り憑かれたことがあったでしょ?もう忘れた?」
「Σうっ」
そう、あれはジンダイさんにバトルを申し込む前に地面が陥没して偶然落ちた先が遺跡で、サトシが不用意に怨霊?と化して封じ込められたどっかの国の王の封印を解いてしまいあまつさえ取り憑かれてしまったのだ。
なんとか王を再び封印することが出来てサトシも元に戻ったが、あの時取り憑いた王相手にあたしは怒りが沸いて、ひっぱたいて暴言を吐きまくった。
話は戻って、あの時のことを思い出したサトシはソレに手を伸ばすのは止めた。
あたし達は誰のお墓かはわからないけど一応手を合わせて、ミニリュウ達の所に戻ろうと後にした。
だけど・・・なんでだろう?あのお墓に供えられてる物が気になってしまうのは・・?
・・・気のせいだよね?
そぅ無理やり無視して、洞窟から出た。
ポケモン達の楽しげな光景にあたしもサトシも和やかになる。
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