旅にハプニングは付き物
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「ああもう」
「ユウコ、サトシを追い掛けてくれる?私もサトシの荷物を持って町内の皆さんと一緒に後で行くから」
「わかった。行ってきまーす」
自分の荷物を持ってあたしも家を出た。
サトシが向かってる場所はこの町にあるオーキド研究所。
そこでポケモンを1体貰える。
まぁあたしはもう決めてるけど。
研究所の前には大勢の見送る人達でいっぱいだった。
まぁ誰を見送るのか分かってるけど・・・まだアイツは旅立ってないのか。
その中を掻き分けながら進んでるサトシを見つける。
あたしも後を追うように人垣を掻き分ける。
「サトシ・・」
「おや?サートシ君にユウではないか」
うわ。タイミング悪っ。
目の前にいるちょっと背の高いこの少年はここの研究所の博士の孫であたしとサトシの幼馴染みのシゲルだ。
正直あたしはコイツが苦手だ。
「シゲル・・・」
「・・おはよ、シゲル」
「シゲル君だよ、君を付けてくれよ。あっ、ユウはそのままでいいよ」
「あっそ」
「しかし、今日遅刻するようじゃぁ僕のライバルとして、すでに君は初めからポケッてる」
「じゃあもう最初のポケモンは・・・」
「ちゃんと貰ってる。ちゃんとこのモンスターボールの中にいる」
取り出したモンスターボールを指先でくるくる回せば、見送りの人達の歓声や拍手が沸き立つ。
何がそんなにすごいのか分からない・・・。
「シゲル君。シゲルはどんなポケモンをもらったんだ?」
サトシは特に不快にも思わずシゲルに君付けしてポケモンの事を聞き出した。すぐに呼び捨てに戻したけど。
「君に言う義理はないね。まっ、僕はポケモン研究家オーキド博士の孫だからね。おじい様の名に懸けてそれなりのポケモンはもらったぜ」
みな平等だと思うけど。
こういう嫌みって言うか感じが嫌なんだよねぇ。
「・・どんなポケモンをもらったかぐらい教えてあげればいいじゃん。減るものじゃないんだから」
「いくらユウでも、こればかりは秘密さ。
それでも知りたいと言うのならどうだい?ユウも僕と一緒に旅を」
「ダメだよ!ユウは俺と一緒に旅するって約束してんだから!」
シゲルが私を誘うと横からサトシが抱き締めて拒否した。
うん・・・拒否してくれたのは嬉しいけど抱き付かないでほしいな・・・いろいろと恥ずかしいから・・・。
「サートシ君、君もそろそろ双子離れしたらどうだい?ユウも困っているだろう」
「困ってないっ!!」
それあたしの台詞・・・ハァ・・・。
「シゲル。悪いけどあたしはサトシと旅するって決めてるから」
そう言うとシゲルは渋々と言った感じだが引き下がってくれた。
「・・・まぁいいさ。私はきっと、ポケモンマスターになってこの町マサラタウンの名前を世界中に広めてみせる!
そうなれば君も、僕の素晴らしさに気付くだろう」
「はぁ・・・」
見送る人達は歓声を上げて喜ぶがあたしには理解が出来ない。
シゲルは取り巻きのお姉さん達の車に乗って旅立った。
とりあえず・・・
「サトシ、そろそろ離れてくれない?」
サトシが離れると、そこへ今度はこの研究所のオーキド博士があたし達の所にやって来た。
「おや?サトシ君にユウコ君じゃないか」
「おはようこざいます、オーキド博士」
「オーキド博士、俺のポケモンは?」
「あいさつ」
「イタッ」
サトシの頭を押さえて下げさせる。
こういう常識を身に付けさせないと。
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