1人勝ちなハロウィン
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マンションの駐車場に車を止め、降りようとする。
「そうだ。彰、これを返す」
「・・・持ってなくていいの?」
「もう必要無いだろ」
車を降りる前に烏間が残った飴を彰に返した。
彰は少し黙った後、烏間の肩に手を置く。
「お兄ちゃん」
「?」
「Trick or treat」
作り物ではない自然な笑みで、手を差し出しながら例の言葉を言った。
「・・・菓子なら今さっき・・「これは言う前に渡したでしょ?だから無効~♪」
楽しそうに笑う彰に、思わず眉間に皺を寄せる。
「安心してお兄ちゃん。お兄ちゃんに悪戯しようなんて考えてないから」
「笑いながら言われても説得力ないんだが・・。じゃあ何をするんだ?」
烏間が訊けば、さらににっこりと無邪気に笑った。
***
部屋に入り、着替える。
が、ワイシャツやズボンはそのままに、金色のボタンが付いた黒のベストを着ていつも羽織ってるジャケットとは違う漆黒の上着に袖を通し、さらにその上から内側は赤で外側が黒のマントを羽織り、首辺りで結ぶ。
自分の格好を見下ろし、もう一度溜め息を吐く。
悪戯の代わりに要求してきたのが、この吸血鬼の衣装を着てほしいとの事。
「(そもそもどこで手に入れたんだ?まさかネットで買ったんじゃ・・・)」
もしそうなら説教せねば。
そう考えながら部屋を出て、リビングに入る。
「わああ~~~!!お兄ちゃん似合ってる!!」
「・・・彰、この衣装はどうしたんだ?」
ドアを開ければ黒のトンガリ帽子を被り黒のマントを羽織った魔女の格好をした彰が出迎えたがツッコまず、衣装の事を訊く。
彰も特に気にせず兄の質問に答える。
「それね、実は防衛省の倉庫の奥の方に置いてあってさ、借りた」
「(何で防衛省にこんなものがあるんだ!?というかあったのか!?誰だ置いていった奴!)」
「もちろん黙って持ってってないよ。鷲野さんからちゃんと許可を得たから!」
「(あの人はーー)」
親指をグッと立てて良い笑顔で言う妹に何も言えなくなった。
「さぁさぁお兄ちゃん、冷めないうちにご飯食べよ」
「・・・そうだな」
最早どうでも良くなり、食卓に付く事にした。
テーブルの上にはハロウィンを意識したのだろう、カボチャを主としたものばかりだ。
「デザートにカボチャプリンもあるよ。甘さ控えめのも作ったから食べよ」
「昨日何か作ってるなと思ったが、それを作ってたのか」
「うん。初めてだからあんまり自信無いけど・・。お兄ちゃん、グラスを持って」
「中身はブドウジュースか?」
「当たり」
楽しそうに笑う彰を見ると、たまにはこういうのも良いか、と自然と自分も笑みを浮かべる。
グラスを持ち、軽く上げた。
「ハッピーハロウィーン♪」
その後、一緒に写メを撮ったりしてハロウィンは終わった。
終わり
オマケ→