1人勝ちなハロウィン
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「どうしました?Trick or treatと言ったんですよ」
「ぁ、その・・・」
「まさか、お菓子が無いと?」
口調は優しいのに纏う空気が黒く、イリーナの頭に警鈴が鳴る。
「では・・悪戯、ですね」
彰がニッコリと笑った。
その目は一切笑ってなく、手にはマジックペン(水性)を持って。
「イ、イヤアアーーーー!!!」
「・・か、烏間先生、止めないのですか?」
「? 菓子を持ってなかったのなら悪戯を受けるのは当然ではないのか?」
「(烏間先生・・・天然と言いますか・・・妹さんのあの顔を見て何とも思わないのでしょうか?)」
***
「シクシクシクシクシクシク(泣)」
「・・・ビッチ先生、一体どうしたんだよ?ι」
「彰先生に顔に悪戯書きされたみたいι」
「授業始まってからずっと教卓に顔伏せてるぞι」
「教室入る時も顔を隠しながら入ってきたよねι」
「・・・顔に落書きなんてまだいいじゃねーか。俺なんてコレだからな!!コレ!!」
「寺坂~すっごく似合ってるよー」
「うっせーバカ!!撮るなコノヤローー!!💢」
「寺坂はカルマに悪戯されてウサ耳付けられてるんだっけ?」
「てか寺坂も律儀に付けてるよな」
「うっさいわよアンタ達!!静かに自習でもしてなさい!!!」
「ビ、ビッチ先生、その顔・・・プッ」
「「「「あはははは!!!」」」」
「笑うなーーー!!!」
***
昼休み、体育倉庫の点検に向かおうとする彰に、カルマが後ろから呼び止める。
「彰せんせー」
「カルマ君。どうしたの?」
「いや~ビッチ先生のあの顔、おもしろくてさぁ。彰先生もああいう事するんだなぁと思って」
「あら?いけない?」
「いいや。彰先生、Trick or treat」
手を伸ばしてニッコリ笑うカルマ。
もう片方の手は後ろに隠しているので悪戯する気なんだろうと推測する。
彰はポケットに入れていたチョコを取り出して渡す。
本当にお菓子を貰えると思ってなかったカルマが意外だと軽く目を見開く。
「・・ちぇ、持ってなかったら悪戯に猫耳付けてやろうと思ってたのになぁ」
「・・・カルマ君」
隠してた猫耳カチューシャを見せ去ろうとするカルマを呼び止める。
「ん?」
「Trick or treat」
今度は彰が手を差し出して言った。
まさか言われるとは思ってなかったカルマは、顔を引きつらせ、1歩下がる。
「え、えっと・・・」
「あれ?お菓子無いの?じゃあ・・・」
彰はうっすら笑みを浮かべながら近付き、猫耳カチューシャを引ったくるように奪うとソレをカルマの頭に差した。
さらにポケットからマジックペンを取り出し、蓋を取ると片手をカルマの頬を押さえるように添える。
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