別世界でも歌は素晴らしい
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朝を迎え、起き上がったあたしをミニリュウが飛び込んできてサトシが勢いよく抱きついてきた。
サトシの勢いにあたしは背中から再びベッドへ沈んだ。
「##NAME2##ーーーー!!!よかったぁ・・・本当によかったぁ・・!!」
「リュウーー・・!!」
「ピカァ・・!」
「もぅ、心配したんだから〜〜!」
「ホントだよ。でもなんだか顔色がいいね」
「そ、そぅ・・?」
「きっとマシュリナが出てったから寿命が戻ったんだな!」
「そ、そうだね。きっとそう!」
涙を浮かべるサトシやミニリュウをあたしが頭や背中を撫で、ヒカリにはノゾミが頭を撫でた。
ノゾミの気付きにあたしがどう説明しようか考えているとジュンが答えてくれたのであたしはソレに合わせた。
アルセウスに命を分けてもらったなんて言えない・・・。
「##NAME2##、大丈夫なのか?」
「うん。だるさやノドは痛いけどあとはなんともないよ」
「そっか。一応お医者さんを呼んでくるよ」
「ありがとうタケシ。みんなも心配してくれてありがとう」
「無事で何よりだよ」
「ミニリュウやピカチュウ達も大丈夫?ケガしたんじゃない?」
「「リュウ/ピカピカ」」
「ジョーイさんやタケシ、シロナさん達が手当をしてくれたんだ」
「そっか・・・」
あたしはなんとなく申し訳なくて、謝罪を込めるようにミニリュウとピカチュウの頭を撫でた。
「・・・おい」
「? どうしたんだよシンジ?」
「マシュリナが歌っていた歌は、お前が作った歌なのか?」
キターーーーー。やっぱりキタよその質問っ。シンジから来るとは思わなかったけど。
けどその対策はバッチリ!
「・・・実はみんなに話してないことがあったんだけど」
「何?」
あたしの真剣な声色にヒカリが緊張した様子で訊いてきた。
サトシ達も緊張した面持ちであたしからの答えを待ってる。
あたしは一呼吸を置いて、告白する。
「実はあたし・・・小さい頃に別世界に飛んだことがあるんだよね」
「「「「「・・・・・・・は?」」」」」
「「ピカ/リュ?」」
あまりの予想外の答えにサトシ達は間の抜けた声を出し、ピカチュウとミニリュウは首を傾げた。
「・・・何だ別世界って?」
「サトシ覚えてる?小さい頃あたしが行方不明になって母さん達が近所の人達に声をかけて探してもらっていたのを」
「ああーあったあった!森でポケモンを探していたら##NAME2##が突然消えて、俺やシゲル、ママ達で一生懸命探したんだよな」
「そう。その時あたしは見たことのない街にいて、ポケモンがいないなんの技も出さない生き物を見て、ああここはあたしの世界ではないどこか別の世界なんだなぁと確信したのよ。その世界であたしはあの歌を知り、聞いて、覚えた。
んで、気がついたらこの世界に戻っていて、サトシ達に見つけてもらった、ということ」
「ポケモンがいない世界だなんて・・・そんなの考えられない」
「つーか別世界だなんてそんなんあんのかよ?」
「それがあっんだねー。あたしは今でも覚えてるよ」
あたしが考えた告白・・・それはあたしが小さい頃にトリップしたと虚言することっ!
結局騙すことになるけど、全部はウソついてない。聞いて覚えたっていうのは本当だからね。
まぁあの行方不明はあたしがうっかりディグダの‘あなをほる’に落ちちゃって、なかなか見つけてもらえなかっただけなんだけど。
「じゃあマシュリナが歌っていたのも、お前が歌っていたのも、その別世界からの歌なのか?」
「そうだよ。どれもいい歌だったからさ、みんなにも知ってもらいたかったの」
「なんでその時話してくれなかったんだよ?」
「話しても大人達は夢でも見たんだろと笑い飛ばすだろうし、サトシにいたっては大泣きして聞こうとしなかったでしょ」
「うっ」
「なんだよサトシ泣いてたのかよ」
「フッ、ガキだな」
「もぅ大変だったよ。あたしにしがみついてわんわん泣いて、あやすの大変だったなー」
「小さいころの話だろ!!」
「まぁでも素直に嬉しかったよ?心配してくれてさ」
「当たり前だろ。家族なんだから」
「うん、ありっゲホッゲホッ!ゲホッ、ゴホッ!」
「##NAME2##!##NAME2##大丈夫か!?」
喉の痛みで咳き込んだあたしをサトシが背中を擦ってくれた。
喉痛いの忘れてた・・・。
「私飲み物買ってくるっ」
「あたしも行くよ」
「ぁりが、と・・・」
ヒカリとノゾミが飲み物を買いに病室から出て行った。
入れ違いでタケシが医者を連れて戻ってきた。シロナさんとギルドさんとメリッサさんも入ってきた。
喉を診てもらい、だるさなどを伝え、2日ほど入院することとなった。
街の被害の方はそこそこ大きいらしく、ただポケモンセンターの医療機器は奇跡的に無事だったようでポケモン達の治療が滞る事はなかった。
サトシ達も怪我をしていて、けど大きな怪我ではなくてホッとした。
それとあの時(マシュリナに取り憑かれて歌わされてた時)はちょうどテレビカメラが回ってなかったので他の街での被害は出なかった。
そして、マシュリナを封印したあの石は元にあった場所(森の中にある洞窟の墓前)に戻し、他の人が入らないように管理するとのこと。
何はともあれ
「みんな無事でよかった〜・・・」
あたしはミニリュウを肩に乗せて病院の屋上に来て、街の様子を見ながら柵に凭れて安堵の息を吐いた。
人とポケモンが協力しあって片付けやご飯の配膳、手当て等をしている。
その様子をボーッと見ながら、あることを考えていた。
あたしが歌っていた、思い出せないアニメのアニソン・・・もしかしたらこの世界と関係があるのではないか、と。
マシュリナの気を引くために歌ったあの歌の歌詞には「テンガン山」やポケモンの技名等が出ていた。
もしかしてあたし、そのアニメの世界に転生トリップしたってこと!?
そんな漫画みたいなことある!?でもなんでそのアニメの記憶がないんだろ?でもあったらあったでネタバレみたいでおもしろくないかも・・・。
「う~~〜〜む・・・」
「リュウ?」
「ん〜?ちょっと考えごと」
「どうしたの?」と訊いてきたミニリュウにあたしは頬を撫でた。
ミニリュウは気持ちよさそうにあたしの手にすり寄ってくる。
まぁ、旅をしていけばわかるか。
あたしはそう呑気に結論づけた。
「あ!いた!」
「ピカァ」
声のする方に振り向けば、ピカチュウを肩に乗せたサトシがこっちにやって来た。
「何してんだ?」
「んー?まぁ・・・街の様子を見ながら考えごと」
「考えごとって?」
「んー・・・ヒミツ」
「えー?教えろよー」
「言ってもサトシにはわからないよー」
「なんだよそれ」
ちぇっ、とそっぽを向いて拗ねてしまったサトシ。
それがなんだか可愛くて、思わずサトシの頭を撫でた。
「もぉー、子供扱いすんなよ」
「アハハ、はいはい」
「だから撫でるなって!この!」
「わっ、ちょっと!」
お返しとサトシがあたしの頭を両手で撫でてきた。
撫でてきたっていうか髪をぐしゃぐしゃにされてる。
あたしもサトシも、ミニリュウもピカチュウも、いつの間にか笑っていた。
またこんなやり取りが出来て、こうやって笑い合って、大切な##RUBY#双子#きょうだい##と相棒と一緒にいられて、
本当、幸せ・・・。
END
オマケ→