別世界でも歌は素晴らしい
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「まぁ、あたしのお気に入りの歌を気に入ってくれるのは嬉しいし、アルセウスのご厚意に甘え、受け入れます。歌ってるのがあたしで申し訳ないけど」
「・・・私がお前に命をあげても良いと思ったのは、お前がポケモン達を元に戻したいという必死な思いと、人間もポケモンも楽しませる・喜ばせるお前の歌声に惹かれたからだ」
「惹かれたって・・・聴いてたの!?どこから!?」
「異常な気配を感じた私はお前達がいる場所に向かったのだ。そこではお前に取り憑いていたモノがポケモン達を操り、しかしその原因と思われるモノはお前に取り憑いている為無闇に攻撃が出来なかった。
ポケモン達が凶暴になるあの歌が歌われる前に私は私の周りを封鎖してあの歌から逃れた。そして元に戻ったお前がポケモン達を助けたいと思いながら歌ったのを聴いた。
あの歌も前世で聴いた歌なのか?」
「は、はい」
「そうか。お前がいた世界にも、素晴らしい歌があったのだな」
「・・!はいっ」
前世で聴いてた歌を、神と呼ばれるアルセウスにも気に入ってもらえて、改めて嬉しいと思った。
「いつか機会があればその時は別の歌を聴かせてくれ」
「はいっ。あっ、あの!」
「ん?なんだ?」
「ちょっと、お願いというか聞きたいことが・・・」
*****
「マヤカ!!正気に戻ってくれ!!マヤカ!!!」
「ユルサナイ・・・ユルサナイ・・・人間ヲ、ユルサナイ・・・!」
「チッ!バケモノが!」
「兄さん!!どこに行くんだ!?」
「ああ?逃げるに決まってんだろ!!あんなバケモノに殺されてたまるかよ!!」
「何言ってんだよ!?マヤカがあんな姿になったのは兄さんのせいだろ!!」
「知るかよ!!あの女が勝手にやったことだろ!!俺は関係ねえ!!あの女をどうにかしたいならお前がやってみせろ!!あばよ!」
「兄さんっ!!!」
「全ての元凶を作っておいて逃げるなぁあーーーー!!!」
――ガンッ!
「ブッッ!」
ポケモンを捕虜しようとしてた兄さんが逃げようとする。
が、兄さんの前を突如見知らぬ女の子が現れて、兄さんの顎に掌底打ちをかました。
「イッ・・ヅッ・・・!」
「今のはマシュリナの分だ」
「だ・・誰だテメェ・・!?マシュリナって誰だ・・!?」
「そしてこれは、あたしの分だーー!!」
兄さんの質問に答えず、その子は兄さんの股間目掛けて思いっきり蹴り上げた。
い、痛そぅ・・・!
「ΣΣ――――ハゥ・・!!!」
やっぱり痛かったんだろう。兄さんは股間を押さえて蹲った。
すすり泣く声が聞こえる・・・ι
「じゃ、あたしはこれでっ」
「Σえ!?ちょっとキミ!?」
「あっ、マヤカを助けてあげてね!」
「Σえ?それはもちろん・・・というかなんでキミはマヤカのことを知って・・」
俺はその子に問いかけるがその子はさっさとその場から立ち去ってしまった。
何だったんだ・・?
*****
「お待たせアルセウス、ディアルガ」
「もう済んだのか?」
「うんっ」
「わかった」
あたしはアルセウスに「マシュリナの過去に行くことってできる?」と訊いてみたらアルセウスはディアルガを呼んで、ディアルガの力であたしを過去に連れてってくれた。
そしてあたしは元凶である男にマシュリナの分とあたしの分を合わせて報復した。
あースッキリした♪
ディアルガにお願いしてあたしは再びアルセウスの精神世界へと戻った。
「ありがとうディアルガ」
「##NAME1##、お前を現実世界に戻す前に、お前がポケモンを戻したあの歌をもう一度歌ってくれないか?」
「え?あの歌を?・・わかりました」
アルセウスのいきなりのお願いに戸惑ったけど、あたしは了承した。
1つ咳払いをして、足踏みをしてリズムを取る。
緊張するけど、静かに息を吸って歌う。
「
どーーしてーーーー♪あの日遊んだうーーみのーー♪匂ーーいはーー♪
」あたしに命を分けてくれたアルセウスと、無理を言って過去に連れてってくれたディアルガに感謝を込めるようにあたしは歌った。
この歌って信じてた人に裏切られて、その人の事が信じられなくなって、でもやっぱり信じてみたい・信じてみようという思いで作られた歌だったような気がする・・・。ワン●ースの映画でこの歌唱シーンで何度も泣いてたのは覚えてるんだけどねぇ・・・。
まぁ前まで人間を恨んでいたアルセウスにとっては気になる歌かも・・・。今はアルセウスとディアルガの為に歌おう。
途中その映画を思い出して涙目になるとプチハプニングが起こったけどなんとか歌いきった。
「ご静聴ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとう。そして、またどこかで会おう。サトシ達にもそう伝えてくれ」
「はいっ」
意識が覚醒する感覚に陥り、あたしは現実世界に目を覚ました。
暗くてあまり見えないけど感触からしてベッドに横になってる。だんだん目が慣れてきて、白い天井が目に入る。
複数の気配を感じて顔を横にずらせば、真横にミニリュウが横たわっていて、さらに前の方にずらせばサトシが上半身をあたしが寝ているベッドに俯せにしてる。その隣にはピカチュウが寝そべってる。
さらにさらに、部屋を見渡せばタケシは壁に凭れ、ヒカリとノゾミはポッチャマとニャルマーを抱えながら互いに寄り添って、ジュンは床に横になって、シンジはドアの横でイスに座っていた。
みんな寝ていた。そしてここは病院だとなんとなく気付いた。
・・・あたし、生きてる。・・・良かったぁ〜。
安堵したあたしは頭を枕に沈めるように力を抜いた。
体がだるくて喉が痛いけどそれ以外は大丈夫だと思う。
本当にありがとう、アルセウス。
ミニリュウ達にも、起きたら心配してくれて、助けようとしてくれてありがとうって言おう。
・・・・・・そういえば、
サトシ達に歌のこと訊かれたらどうしよう・・!
あの歌は前世の頃に聴いていた曲であってあたしの歌ではない。だからサトシ達があたしの歌かと訊かれたら即否定する。
じゃあマシュリナの歌かと言われたらそれも否定する。
じゃぁどうやって説明すればいい?前世の頃に聞いてた歌をあたしとマシュリナが歌ったんだと言ったらあたしが20歳過ぎの転生者だとバレてしまう。それでもし今までの関係が壊れてしまったら?今まで騙してたのかよと怒り爆発してきたら?
イヤだぁあーーーー!!だって言ったところで信じてもらえるとは限らないじゃん!!仮に信じてもらえたとしてギクシャクした関係になるよ!!
でもどうしよう・・・どうやって説明しよう・・・。
あたしはどうやってサトシ達に納得のいく説明をしようか眠たい頭を働かせて考えた。
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