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先生の友人は天下の大泥棒



「もう行くのか?」

「俺が学園に戻ったらまたあの若いヤツに勝負をふっかけられるからな」

「お前が怒らせなければいいだけだろ」

「どうもああいう奴はからかいたくなる」

「お前な・・・」


面白そうに口角を上げる石川に半助はまたハァ〜、とため息を吐いた。


「利吉君はたしかに若い。だけど、同じ失敗はしない。次会った時は落ち着いた態度を取っているだろう」

「ほぅ・・・そいつは楽しみだ。じゃあな土井。きり丸やお前の生徒達にもよろしくな」

「あぁ。元気でな石川。その簪、しっかり届けるんだぞ」

「・・・フッ、あぁ」


見抜かれてる事に内心驚いたが、石川は何も言わずその場から颯爽と行ってしまった。



*****


忍術学園の正門の外を、乱太郎・きり丸・しんべヱ・利吉が半助の帰りを待っていた。

向こうから半助の姿を捉えると彼らは喜んだり安堵の表情を浮かべた。


「「「土井先生!」」」

「乱太郎にきり丸にしんべヱ、利吉君まで、待ってたのかい?」

「「「はい!」」」

「土井先生、石川先生は?」

「行ってしまった。お前達にもよろしくって言われたよ」

「土井先生・・・申し訳ございませんでした!私が未熟なばかりに、土井先生にご迷惑を・・!
それに、友人である石川さんとの時間を潰してしまい、本当に申し訳ございませんでした!!」


頭を下げて謝罪する利吉を、半助は肩に手を置いて声を掛ける。


「謝らないでよ利吉君。石川を止められなかった私にも非があるんだから」

「ですが・・・」

「それに少しだったけどちゃんと石川との時間もあったし、私もこうして戻ってきたんだから、もう気にしてないよ。ねっ」


笑みを見せる土井に、利吉は半助の心の広さに感謝した。

そして決意する。次石川に会うまでに腕を磨く事を。



*****


数日後。きり丸のアルバイトを乱太郎としんべヱと共に手伝いに向かう半助。

とある集落に差し掛かり、元気に前を歩く三人に笑みを浮かべているとふととある女性に目がいった。

その女性の髪には石川が盗んだ簪が刺さってる。

その女性に年配の女性が近付き、半助は二人の会話に聞き耳を立てる。


「千代ちゃん、その簪戻ってきて良かったね。お母さんの形見の簪っ」

「うん。ある城のお殿様に奪われた時は悲しくて、悔しくて泣いてたけど、ある朝目が覚めたらこの簪が私の頭の上に置いてあったの。
きっと仏様が取り返してくれたんだわ」

「そうに違いないわ」


二人の会話に、友人を仏に想像してしまった半助は思わず笑いそうになるのをなんとか堪えた。


「ふっ・・・」

「土井先生?」

「どうかしたんですか?」

「いや、何でもない」


空を見上げ、石川の姿を想像した。




終わり
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