先生の友人は天下の大泥棒
「しかし、利吉の性格を瞬時に見抜くとは・・・石川五十ヱ門、なかなかの観察力だ」
「言ってるバヤイですかっ!!土井先生を救いに・・っ」
「無理するな。土井先生は戻ってくる。だから・・」
「石川が土井先生を大人しく帰してくれる保証がどこにあるんですか!?」
自分のせいで半助が連れて行かれた事に責任を感じる利吉。
心配な顔を浮かべる乱太郎達。
するときり丸が一度ぐっと拳を握り、決意した顔つきとなる。
「ぼく、信じます!土井先生が戻ってくることも、石川先生が土井先生をちゃんと帰してくれることも!」
きり丸の言葉に乱太郎達は驚く。
利吉に至っては目を見開き、誰よりも驚いてるのが見て取れる。
「きり丸・・・」
「石川先生は泥棒ですけど、悪い人じゃありません!!悪い人だったら、土井先生は友達なんてやってません!!」
「Σ!!」
言われて思い出す。石川が半助に肩を組んできた時、半助は嫌な顔せず、久しぶりに合う友人に気を許す笑顔を浮かべていた事を。
「わたしも信じます!」
「ぼくも!」
「・・・子供達はこう言ってる。お前はどうだ?利吉」
「・・・・・・」
利吉は何も言わなかったが、伝蔵には息子の覚悟を感じ取り、労わるように肩に手を置いた。
*****
学園を出た石川と半助。
石川に引っ張られるままでいた半助だったが立ち止まり、石川を強引に止めた。
「石川!どうゆうつもりだ?」
「どうもこうも、勝負に勝ったんだからお前を連れ出しても問題ないだろ」
「何が勝負だ?わざと利吉君を怒らせて勝負に持ちかけさせたくせに。だいたい私は了承してないっ」
半助も石川の企みを見抜いていたようで、咎める口調で言うが石川は気にしてない様子。
半助は説教したい気持ちであるが、彼には無意味である事も知っていて、ハァ~、と溜息を吐いて口を開く。
「で、私に何をさせるつもりだ?
この道を行けば△△城。お前の目的がその城にあるとしたら、私にお前の盗みの手伝いをさせるつもりか?」
「まぁ半分は当たってる」
「半分?」
「簡単だ。お前はただ俺が現れたと騒ぐだけでいい」
「・・・それだけ?」
「それだけだ」
「・・・な、んだそりゃあ!!?」
半助が石川に拳骨を振るうが石川はヒョイッと躱した。
「そんな事しなくてもお前なら簡単に城に入れるだろ!!」
「あぁ」
「だったら私は必要ないだろ!!」
「まぁ聞け。その城はやたらと人が多くて警備が厳しい。どうやって侵入しようか考えていたら忍術学園が近くにある事を思い出し、お前を巻き込ませようと考えに至った」
「至った、じゃない!!」
真面目な顔で何を言うのかと身構えていた半助だったがあまりにも身勝手な考えについツッコんでしまう。
「騒ぐだけなんだ。簡単だろ?」
「〜〜〜〜ああもう!」
彼の性格を知ってる半助はこれ以上言っても無駄だと悟り、石川の手伝いをする事に。
「(△△城はあまりいい評判を聞かないが、だからってお前がそんな所から盗みをする筈ない。何か目的があるんだろ?石川)」
先を歩く石川の背中を半助はただ見つめた。
そこからはあっという間だった。
半助は言われた通り「石川五十ヱ門が出たぞー!!」と大声を出し、聞きつけた門番や城の兵士達が門を開けたところを石川は兵士達の上空を跳び、堂々と門から侵入を果たした。
颯爽と城内に侵入し、兵士達も城内に入って石川を捕まえようとするがものの数分後に風呂敷一つを肩から下げた石川が出てきて、塀を飛び越えた。
まんまと仕事を成功させた石川。茂みに隠れている半助の元へ戻る。
「終わったのか?」
「あぁ」
「その肩にぶら下げてる物が目的ではないよな?」
「あぁ。コイツはオマケだ。本命はこっちさ」
石川は懐に手を入れて何かを取り出す。
それは綺麗な簪だった。ただどこか古めにも見える。
「それが目的の品物か?」
「まぁな」
「・・・そっか」
それ以上は何も聞かない。
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