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先生の友人は天下の大泥棒



*****


「・・・・・・」

「せんせー、ぼーっとしてどうしたんですか?」

「あっ、いや、なんでもない」


教科書を片手に授業を進めていた土井半助。

窓の方をジッと見ていると生徒に指摘されて慌てて授業を再開する。


「えーこのように手裏剣には静定剣と乱定剣、さらに様々な種類があ・・るっ!!」


窓辺に影が現れた途端半助はチョークを手に素早く窓辺に向けて投げた。

影はその場から移動してチョーク攻撃を避け教室の中に入ってきた。

半助は絶えずチョーク攻撃を仕掛けるが影は素早く避ける。


「なんだなんだ!?」

「なんかいる!?」

「お前達動くな!!」


生徒達が騒ぎ、半助は声を大にして三角定規を手にその影に振り被る。

影―侵入してきた男―は半助の手首を掴んで三角定規の攻撃を止め、拳を振り被るが半助も出席簿で男の拳を受け止めた。

男はフッと口角を上げて半助を見る。


「あっ!」

「ああ!」


男の顔を見た途端半助と生徒のきり丸が声を上げた。

廊下からバタバタと足音が聞こえ、教室の戸が勢いよく開く。


「「半助/土井先生!!!」」

「石川!!」

「「・・へ?」」


伝蔵と利吉が慌てて叫ぶが、半助の口から出た言葉に二人共目が点となってしまう。


「久しぶりだな土井」

「侵入者はお前だったのか」

「なかなか楽しめたぜ」

「石川先生!」

「よっ、きり丸。元気だったか?」

「はいっ!」

「きり丸、知ってるの?」

「土井先生の親友の石川五十ヱ門先生だよ」

「「「「「「ΣΣええええええーーーー!!!??」」」」」」


教室に生徒達と伝蔵と利吉の驚きの声を上げる中男―石川五十ヱ門は不敵な笑みを絶やさなかった。

驚愕の事実から先に脱して声を出したのは利吉。


「だ、だって、アンタ土井先生の命を狙ってきたんじゃ・・・」

「俺は土井の名前を言っただけ殺すなんて一言も言ってないぜ」

「ぁ・・・」


石川の応えに利吉は黙ってしまった。

生徒達も正気に戻るとキラキラした目で石川を見上げてきた。


「石川五十ヱ門って言ったら、」

「誰もが度肝を抜く方法で物を盗む、」

「天下の大泥棒にして、」

「忍者界のスーパースター・・!」

「こらこらお前達、まだ授業中だってこと忘れてないか?山田先生、石川を職員室で待たせてもよろしいですか?」

「まぁ、構わないが」

「ありがとうございます。石川職員室で待っててくれ」

「あぁ」

「「「「「「えぇ〜〜〜〜?」」」」」」

「えぇ~とはなんだえぇ~とは?」

「せっかくいらっしゃったんですからいろいろとお話が聞きたいです」


代表して学級委員長の庄左ヱ門が言うとみんなうんうんと頷く。

半助が呆れて止めようとするがその前に石川が口を開く。


「お前らなぁ・・」

「待て土井」

「石川?」

「期待してるところ悪いが、俺がお前達に聞かせる話はない」

「「「「「え?」」」」」

「きり丸、お前ならこの意味、わかるな?」

「・・・ぁ」


石川の問いかけにきり丸は少し考え、思い出し、小さく声を漏らした。


「じゃあ先生、案内してくれるか?」

「あぁ。利吉、食堂に行ってお茶をもらってきてくれ」

「は、はい・・・」

「ほらお前達も、授業を再開するぞ」

「「「「「はぁ~い」」」」」


石川・伝蔵・利吉が教室を出て、利吉は食堂へ向かい二人は職員室―伝蔵と半助の部屋とも言う―へと向かっていく。

伝蔵は向かってる間石川の方に神経を集中させていた。


「安心しな、先生。別に盗みを働きに来たわけじゃねぇよ」

「!・・・そうか」


それから二人は無言で廊下を歩き、職員室へと入って行く。




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