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先生の友人は天下の大泥棒

今も昔も、お前は変わらないな・・・。



      ✫先生の友人は天下の大泥棒✫



忍術学園に1人の男がやって来た。

まだお昼で、空は澄みきった青空であるにも関わらず男は忍術学園の塀を軽々と飛び越え堂々と侵入を果たした。

すぐにその場から移動し、その直後に事務員の小松田秀作が入門票を持ってやって来たがすでに遅し。


「あれ~?今誰か来たような気がしたんだけど・・・気のせいかな?」




男は屋根から屋根へと素早く移動する。が、突然足を止めた。


「さすが忍術学園、お出迎えが早いこった」


男の前に山田伝蔵を筆頭に教師陣が立ち塞がっていた。


「侵入者が・・・目的はなんだ?」

「フッ、なんだろうな?」


伝蔵の鋭い睨みに対し男はとぼけた口調で返す。

すると男はその場から跳躍し、素早く移動する。

しかし伝蔵達がほっとく筈もなくすぐに追いかける。

男に向かって手裏剣を投げるが男は器用に避け、武器で迎え撃とうとする教師達の攻撃も躱していく。

男が学園内を進んでいくと前方から武器を構えた六年生達が待ち構えていた。


「ほぅ」


男は驚くわけでもなく感心した様子で六年生達の出方を伺う。

立花仙蔵が点火した宝禄火矢を投げてきたので跳躍して避ける。

宝禄火矢が爆発して土煙が舞うとすかさず中在家長次が縄鏢を、善法寺伊作が手裏剣を投げた。

男は懐から煙管を取り出すとそれらを全て弾いた。

男が地面に着地したその途端七松小平太がクナイを手に飛び込んできたがヒョイッと躱し、潮江文次郎が槍を突いてきたがそれも躱して柄を掴み、反対側から襲ってきた食満留三郎の鉄双節棍をそれで防いだ。

男は力を入れて槍を引っ張り、槍を掴んだままでいた文次郎も一緒に引っ張られ留三郎にぶつけられる。

男は槍を離して倉庫の屋根に飛び移る。


「なかなかいい連携だったぜ。じゃあな」

「待て!」


仙蔵が宝禄火矢を投げるが男は煙管で打ち返し、宝禄火矢を追ってきていた教師達に飛ばした。

宝禄火矢が爆発するが男はその様子を見届もせず先を進んだ。


屋根を二つ超えた所で別の人物が現れ、男はまたしても立ち止まる。

苦無を構えた青年―山田利吉が男を睨む。


「これはまた随分と若い教師が出てきたな」

「私は教師ではない」

「ん?じゃあ部外者か?」

「関係者だ!」


利吉はその場から一気に駆け出し男に苦無を振るう。

男は慌てた様子もなく最小限の動きで避ける。

利吉は苦無を何度も振るうが男も何度も避け、煙管で苦無を受けた。

それに驚いたのは利吉だ。まさか煙管で受け止められるとは思いもしなかったから。


「Σっ!?」

「ほぅ・・・まぁまぁの腕だ。が、煙管こんなもので受け止められたぐらいで驚くとは・・・お前さん基本しか知らない真面目ちゃんか?
基本ばっかとらわれているといつか痛い目見るぞ」

「っ!!黙れ!!」


男の一言に怒った利吉が力を加えるが男は煙管の向きを器用に変えて受け流し、利吉に足払いを仕掛けた。

バランスを崩しかける利吉に男は煙管で利吉の頭を押すと、利吉は屋根の上を転がり落ちようとする。

咄嗟に苦無を突き立てた為何とか屋根から落ちる事は防いだ。

男がその様子を傍観していると追ってきた伝蔵の存在に気付き、その場から跳躍して振り下ろされた苦無を避ける。


「利吉!」

「父上っ」

「無事か?」

「何とか・・・」

「それじゃあ行かせてもらうぜ」

「待て!貴様の目的は何だ!?」


距離を置いた男に伝蔵が問う。

すると男は少し考える素振りを見せ、フッと口角を上げ答える。


「土井半助」

「「Σ――!!」」

「って言ったらどうする?」


男の口から出た名前に伝蔵も利吉も驚く。


「貴様、土井先生の命を・・!?」

「じゃあな」

「待てっ!!」

「追うな利吉!」


その場を去る男を利吉が追いかけようとするが伝蔵が止めた。


「何故です父上!?」

「半助の安全が先だ。教室に急ぐぞっ」


伝蔵と利吉は急ぎ一年は組の教室へと向かった。




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