別世界でも歌は素晴らしい
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「貴女の言う通りよ、ヒカリさん。確かに、洗脳はどうあれ今まで歌われた歌はどれも素敵だったわね」
「イエース。実はワタシ、2、3曲聞いてマシタ。モチロン、救助活動をしながらデース」
「俺も。最初に歌われたあの曲、すっげー前向きになる感じでさ!またしてもバトルやりてー!って思ったんだ!」
シロナさんにメリッサさん、ジュンもあたしと同じだったんだ。
「だけど、一番辛いのは##NAME1##さんよ。彼女が作ったのかそうでないのかわからないけど、自分の体と声と命を勝手に使われてポケモン達を操っているのだから。
だから、一刻も早く彼女とポケモン達を助けましょ」
「・・・はいっ」
シロナさんの言葉に、あたしは##NAME2##とポッチャマ達を絶対に助けることを改めて決意した。
サトシに振り向くと、サトシはまだうつむいていた。
「おい」
するとシンジがサトシに近づき、胸ぐらをつかんだ。
「お前はいつまでそうしているんだ?お前の双子が!わけのわからないポケモンに命を落とされそうになっているんだぞ!お前のポケモン達も操られているんだぞ!このままでいいのか!?」
サトシを叱責するシンジがめずらしくて、こんなにも必死な姿初めて見た。
でもその気持ちはあたしも同じ。
きっとサトシにも響いて・・・
「ムリなんだ・・・。俺の声は・・##NAME2##にも、ピカチュウ達にも、もぅ、届かない・・・」
「「「「―――!」」」」
サトシの、弱気な言葉にあたし達は驚きを隠せなかった。
*****
「何言ってんだよ!?お前らしくないぞサトシ!!」
「そうよジャリボーイ!アンタ私達が何度ピカチュウを拐っても諦めずにいっつも食らいついて邪魔してきたじゃない!!こんなにあっさり諦めるわけ!?」
「サトシ!もう一度##NAME2##の名前を呼べば今度はきっと・・」
「ゴメン・・・」
ジュン達がサトシを奮い立たせようと声をかけるが、サトシは一言謝っただけで応えようとしない。
その一言に、諦めの意を感じる。
ピカチュウ達を操ったあの歌、あの歌詞がサトシを応えさせたんだ・・!
しかも##NAME2##の姿と声だから余計に・・!
サトシが落ち込んだ時はいつも##NAME2##が励ましていた。元気づけていた。
だが、今この場に##NAME2##はいない。
こうなったら俺達だけで・・・
――ベチッ!
「「「「「Σ――!!」」」」」
サトシの頬を、ミニリュウがしっぽでひっぱたいた。
「リュウリュウ!?リュリュウリュウ!?リュウ!?リュウ!」
「「あんたがそんな弱気でどうするのよ!?あんたはいつも##NAME1##に助けられてきたんじゃニャいの!?ニャのにあんたは助けニャいの!?みそこニャったわ!」と言ってるニャ」
「リュリュウ!リュウリュ!リュウ!リュウ!」
「「気に食わニャいけど、##NAME1##を助けるにはあんたの力が必要ニャの!ニャのに、あんな情けニャいことを言って・・!あんたが助けニャいでどうするのよ!バカサトシ!」と言ってるのニャ」
「・・・ミニリュウ・・・」
「リュウリュウ!」
「「あんたが行かニャいニャらあたしだけでも##NAME1##を助けに行く!」と・・・」
ミニリュウがサトシに説教すると怒ったままココから離れようとする。
だが、サトシが抱き上げて止めた。
「ごめん、ミニリュウ・・・お前も、悲しいはずなのに、辛いはずなのに、俺ばかり弱気になっちゃって・・・。
ありがとう、ミニリュウ。俺、やっぱり、##NAME2##もピカチュウ達も助けたい!!」
「リュウ」
「「遅いのよ」っと言ったのニャ」
「よかった・・・サトシ、もとの元気に戻って」
「あぁ。ポケモンはトレーナーに似ると聞くが、まさに、さっきのミニリュウは##NAME2##を彷彿させるものだった」
「ポケモン達もしっかりトレーナーを見てるんだね」
「・・・フン」
「よぉーし、サトシももとの調子に戻ったみてーだし、エンペルト達を助けに行くぜ!」
「ちょっと待って、ちゃんと作戦を立てて行かないとまたさっきみたいにポケモン達に返り討ちにあうよ」
「わ、わかってるよ・・・」
「・・・皆さんっ」
どうやって##NAME2##達を助けるか作戦を立てようとすると、ギルドさんが声をかけてきた。
その顔は真剣な顔つきだった。
「どうしましたカ市長サーン」
「申し訳ございません。私は皆さんに嘘をついてました」
「嘘?どういう事ですか?」
「まず、その昔得体のしれないナニかに村が襲われたと言いましたが、実は、人間だったんです」
「人間?」
「正確に言えば、ポケモンになりそこねた人間です」
「ポケモンになりそこねたってどういうことだ?」
「・・・そうか!ポケモン魔法ですね」
「ぁあ!」
「知ってるんですか?」
「ポケモンまほう?何だよそれ?」
「ジョウト地方を旅していた時にポケモン魔法使いだという女の子に出会ったんだ。その時ポケモンの気持ちがわかるという魔法をサトシがかかって、そしたらサトシがピカチュウになって」
「ちょっと待て。なんだピカチュウになったって」
「そのままの意味だよ」
「俺その魔法でピカチュウになってさ、その魔法の効果が切れるまでピカチュウ達と遊んでたんだ」
「あの時##NAME2##が「ちゃんと戻るんだよね?」とすごい剣幕で詰め寄ってたなぁ」
ジョウト地方で出会った出来事を説明して、サトシが笑いながら話していたらシンジ達が引いた。ヒカリとジュンは「いーなー」とか「おもしろそう」と羨ましそうだ。
「ゴホンッ、話を戻しますが、その人間はポケモン魔法を使ってポケモンになろうとしていたのですが、失敗してしまい、人でもないポケモンでもない姿になってしまったんです。さらに自らを制御できなくなった彼女は村を襲いました」
「まさか、その人間って・・・!」
「そう、マシュリナと名乗っているのはポケモンではなく、ポケモンになりそこねた人間です」
「なんですって!?」
「なんでその人はポケモンになろうとしたんですか!?」
「その原因を作ったのは、私の先祖の身内だったんです」
「ギルドさんの!?」
「その身内がマシュリナに酷いことをしたみたいでして・・・それでマシュリナはポケモンになって復讐をしようと考えていたんだと思います。だからその先祖の身内に似てる私を見て怒りを沸いたのでしょう」
「つまり俺達はアンタの先祖のとばっちりを受けたってことか」
「シンジ君っ」
「いや、その通りです。否定はしません。先祖とは言え、その責任は私にもあります。ですから、お願いします。私にも協力させてください」
カラオケ大会が始まる前に話していたギルドさんの先祖の話の真実。
ギルドさんは話し終わると俺達に頭を下げて懇願した。
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