モンスター達のハロウィン



「(可愛いなぁ・・♡)」

「・・・スマナイボウヤ。俺もお菓子を持ってない。
なので、ボウヤからの悪戯を所望する」


赤井が膝をつくとコナンを抱き寄せ、顎をクイッと上に向かせ笑みを浮かべながら言い放った。


「えっ///」「Σなっ」


赤井の言動にコナンの顔は赤くなり、安室は目を見開く。


「どうした?遠慮しなくていいぞ」


面白そうに笑う赤井に、わざとやっているんだと気付く。

安室がすぐに引き剥がそうと行動に移るがその前に、別の人物によって引き剥がされた。


「ちょー待て。子供の悪戯なんてたかが知れとるやろ。あまりからかわんといてもらおうか」


コナンの両肩に手を置いて引き寄せたのはミイラ男の服部平次だ。


「Σ服部・・・平次兄ちゃん」

「よぉー久しぶりやな工ど・・・ボウズ!元気にしとったか?」

「これはこれは・・・。西のミイラ男君がわざわざ何の用だい?」

「今日はハロウィンやろ?オレらモンスターが楽しまなくてどうすんねん。
それに、ハロウィンにかこつけて厭らしい事をするモンスターがいないか見張りに来たんや」

「ホー・・・一体誰の事を言っているんだ?」

「さぁな。誰やろうなー・・・」


一瞬、3人の間に火花が散ったような気がした。


「コナン君は子供達とどちらが多くお菓子を貰えるか競争してるんです。それで今から僕の家に来て貰ってレモンパイをご馳走するんです。ですのでコナン君をこちらに渡して下さい」

「ほぅ・・レモンパイを・・・ここはハロウィンらしくパンプキンパイにしたらどうやねん?」

「コナン君はレモンパイが好きなんです。好きなものの方がコナン君も嬉しいよね?」

「ぇ?う、うん!
(俺、安室さんに好物言った事あったっけ?)」

「けどわざわざ作らんくてもその辺のお店に入ってお菓子をあげた方がええやろ」

「わかってませんねぇ」

「なんやと?」

「愛情のこもったお菓子をあげたいという気持ちが君にはわからないのですか!」

「Σあ、愛情!?」


親しいモンスターに、それも同性からそんな事を言われてコナンが驚愕の声を出す。


「・・・確かに。ボウヤの為なら俺も作れん事もない」

「Σ赤井さん!?」

「しかし、俺は甘いものを寄越すより・・・ボウヤが欲しいな」

「Σえ?」「「Σなっ/Σハァ!?」」


コナンの頬を撫で、ペロリと舌舐めずりをする赤井。

冗談なのか本気なのかわからないその妖艶な笑みにコナンの顔にまた熱が集まる。


「ぼ、僕ゾンビだから不味いよ・・」

「フッ、とぼけるつもりか?」

「待て待て待て!!子供相手に何言うとんねん!?」

「狼男なだけに獣ですね」

「何を言ってる?男は皆狼みたいなものだろ」

「「貴方と一緒にしないで下さい/アンタと一緒にすな!」」




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