見舞品はキス
「ゲホッゲホッ!!」
「大丈夫かボウヤ?」
「誰のせいだと・・、ふざけた事言わないでよ、赤井さん」
「ふざけてない。俺は本気だぞ?ボウヤ」
真剣な目でコナンを見る赤井に、コナンは思わずキョトンとしてしまった。
見つめてくる赤井の目に耐えきれずコナンは顔を反らす。
「え、ぁ、そぅ・・・///」
「顔が赤いぞ?ボウヤ」
「か、風邪のせいだよ!!」
「そうか・・・。おっと、そろそろ行かないと」
「ぁっ、行っちゃうの・・・?」
「居てほしいか?」
「・・・いや。仕事なら仕方無いよ・・・」
「・・・・・ボウヤがそういう事を言うと・・・ここから離れたくなくなるな・・・」
赤井がコナンの頬に手を添えてこちらに振り向かせる。
赤井の顔がだんだんコナンに近付いてくる。
近付いてくる赤井にコナンは顔を背ける事も出来ず、ギュゥと目を瞑る。
チュッ
コナンの前髪をかき揚げ、額にキスを落とした。
そっと離れ、頭をくしゃっと撫でる。
「またな、ボウヤ」
優しい笑顔で別れを告げ、赤井はその場を去っていった。
コナンは赤井の後ろ姿を見届けると、額に手を当て、赤くなってる顔がさらに赤くなり、布団の中に潜り込んだ。
「(赤井さんの意地悪ーー!!!)」
正午。
いつの間にか眠ってしまったらしく、香ばしい匂いが鼻につき、目が覚める。
視線をドアの方に向けると、ドアが開き、ポアロでバイトしてる小五郎の弟子の安室透がお盆にお粥を乗せて入ってきた。
「おや?目が覚めたか」
「うん・・・。安室の兄ちゃん、ポアロの仕事は?」
「今は休憩時間なのでご心配無く。それよりコナン君、お粥食べられるかな?」
「えっと・・・食欲は、ちょっと無いかなー・・・」
ぐ~~
「あ・・・//」
「お腹空いてるみたいだね。
大丈夫。別に何も入ってないよ」
「う、うん・・・」
顔を引きつるコナンに咎める者はいない。
特に気にする様子も無く安室はニコニコしながら布団の横に座り込んだ。
「そういえばコナン君、僕が来る前に誰か来なかったかな?事務所の階段から誰かが降りてくる人影が見えた気がするんだけど」
「さ、さあ?ボクずっと眠ってたから分からない。
もしかしたらおじさんに依頼しに来た人かも・・」
「ああ・・・そうですか・・・」
茶碗に入ったお粥をレンゲで掬い取り、フーフーして、コナンの口元に運び込む。
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