逃ゲテ。見ツケテ。



「うわあああああ!!!」

「Σ!? ボウヤ!!」

「やだ!やだ!!うわあああ!!」

「ボウヤ落ち着けっ!」


うなされてたコナンを赤井は起こそうとしたが、飛び起きたのと同時に急に叫びだしたコナンに驚く。

何かから逃げようと暴れるコナンを赤井は落ち着かせようとコナンの顔を片手で掴み自分の方に向け目を合わせ必死に声をかける。


「ボウヤ!俺がわかるか?赤井秀一だ!」

「・・・!・・・ぁ、赤井、さん・・・」


ようやく落ち着いたコナンは暴れるのをやめ、赤井の顔をジッと見る。

少し頭が冷え、すると先程の取り乱し様が申し訳なく、俯きながら謝罪する。


「ご、ごめんなさい、ボク・・・」

「謝らなくていい。それより、どんな夢を見たんだ?」

「・・・・・・」

「夢だからどうする事も出来ないかもしれないが、話せば少しは気が楽になるんじゃないか?」

「・・・うん。実は・・・」


話そうか悩んでいたが、赤井の言葉に打ち明けようと決め、俯いてた顔を上げる。

だが、赤井の背後を見た途端目を見開き、そして


「う、うわあああああ!!!」

「っ!!」


赤井を力強く突き押した。

突然の事に赤井が腕の力を弱めてしまい、コナンは降りるとダッと走り出した。


「ボウヤ!!」


赤井はすぐにコナンを追い掛けた。


「(何で!?何で!?

何であの男があんな所にいたんだ!?)」


コナンは必死に走った。

いや、逃げていた。

後ろから赤井が呼び止めているがそれでも止まらない。


「コナン君!」

「Σっ!!」


前方から名前を呼ばれ、見れば安室がこちらにやって来た。

しかしコナンは止まらず、左に曲がった。


「コナン君!?」

「ボウヤ!」

「Σ! 赤井!?貴様、コナン君に何をした!?」

「何もしていない!急に何かに怯えたと思えば走り出したんだ」

「あなたのその目付きの悪さに恐怖を感じたんじゃないんですか?」

「あのボウヤが今さらその程度で怯えると思うか?」

「・・・・・今のコナン君なら、あり得ると思いますけど」


いつものコナンならその程度で怯まないとわかってる安室だが、今のコナンはそうではない状態な為皮肉っぽく言った。

必死に走るコナンを2人は追い付き、コナンの肩を掴んだ。


「「ボウヤ/コナン君!!」」

「は、離して!!逃げないと!!」

「逃げるって誰から?」

「う、後ろ!!まだいる!!うわあああああ!!」

「ボウヤ落ち着け!!」

「コナン君!!しっかりして!」


2人共後ろに振り向くが、そこには誰も何もいない。




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