張り込み中です

どうしよ、目暮警部に報告すべきかな・・・(泣)



         〈張り込み中です〉



「あっ、高木刑事ー!」

「ん?コナン君」

「どうしたの?何か事件?」

「いや、最近ここら辺で不審者がうろついてるって言うから聞き込みを・・・コナン君は学校の帰り?」

「うん。でもボクこの道通学路だから通るけど特に怪しい人は見ないよ」

「へぇ本当かい・・・」


ふと視線を上げてみれば電柱の影やら建物の間とか店の中からとても見知った人物達がこちらを見ている事に気付いた。

一瞬固まってしまった高木は眼をゴシゴシ擦りもう一度視線を向けた。

しかし先程の人物達はいなかった。


「? どうしたの高木刑事。誰かいたの?」

「・・・いや、なんか同僚や先輩の刑事さん達がいたような・・・多分僕の見間違いだと思うけど・・・」

「ふーん」


コナンも後ろに振り向いてみたけど誰も居なく、すぐに高木刑事の方に向き直った。


「そうだ。探偵事務所まで送ろうか?」

「え?いいよ。高木刑事仕事中でしょ」

「だってこの辺怪しい人達がうろついてるからね。君1人で歩かせるのは危ないよ」


決して高木刑事に悪気はない。決して。


「ホント?ありがと、高木刑事!」


満面な笑顔を浮かべるコナンに高木の心が癒された。

次の瞬間高木に悪寒が走った!

キョロキョロと視線を向ければ、ハッキリと見えた。

自分に羨ましさと嫉妬を向ける同僚や先輩達の姿が。

彼らの姿を目にした瞬間高木の顔に汗が伝った。


「? どうしたの高木刑事?すごい汗だよ」

「だ、大丈夫だよ。ほら今日も暑いなぁーと思って」

「今日は昨日に比べて涼しい方だって天気予報で言ってたよ」

「そ、そうなの!ほ、ほら僕って汗っかきだからさ!!あは、あははは」

「そうなんだ。じゃあ行こっか高木刑事」


高木の手を取り歩き出すコナンと高木。

手を繋いだ瞬間背中からビシバシと視線が向けられ高木はとても生きた心地がしなかった。


「(もしかして不審者ってあの人達なんじゃ・・・ι)」


コナンと別れた後襲われるんじゃないのかと頭の中で何回もそんな考えが浮かんだ。




終わり
1/2ページ
スキ