一番に・・・



ジンの接近に驚きコナンはギュッと眼を瞑った。

そしてジンはコナンの唇に自分のをそっと重ねた。

重ねた時間は短いのにコナンにとってはとても長く感じた。

やっと互いの唇が離れるとコナンは小さく呼吸を繰り返す。




「誕生日おめでとう、江戸川コナン」


ジンの言葉に暫し眼をぱちくりし、そして日付が変わった事を知らされ、先程の言葉と今日が何の日がようやく思い出す。


「・・・5月4日・・・オレの誕生日・・・」

「あぁ。俺は言いたかった・・・お前に「おめでとう」って、一番に言いたかったんだ・・・」


そっぽを向いてしまうジン。

その顔にほんのり赤みがあった。

そして連れるようにコナンも顔を赤くする。


「・・あ、あのよ、その・・・あ、ありがとな・・・///」

「あ、あぁ・・・。それとほら、」


するとどこからかジンは鉢植えを出し、コナンに渡す。

鉢植えには何かの植物が植えられていた。


「これって・・・山吹か?」

「あぁ。お前の誕生花だ」

「え、あ、ジ、ジン?お前、オレの誕生花知って・・・」

「当たり前だろ。愛しい奴の誕生花くらい知っとかなきゃな」

「っ!・・・恥ずかしい事言ってんじゃねーよ・・・///」


顔を赤くして横を向いてしまった。

そんな彼の頬に唇を寄せた。


「Σっっ!!?テ、テメェ!!いきなり何しやがる!?」

「クククッ。じゃあな。そして、大事にしてくれよ」


ドアを開けて静かに閉め、ジンは探偵事務所を去って行った。

山吹を置いて。


「・・・・・バーロ。大事にするに決まってんだろ」


山吹を見る顔は慈愛に満ちていた。




終わり




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