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逃ゲテ。見ツケテ。



男の手を、コナンは咄嗟の反応で振り払おうと手を上げる。





「コナン君?」

「「Σ!」」

ピタッ


声を掛けられ、男もコナンも手を止める。

声のした方へ振り向けば買い物バックを引っ提げた安室がいた。

安室の姿を捉えた瞬間コナンは弾かれたようにダッシュして男から離れ、安室に勢いよく抱きついた。

安室はいきなりの事でよろけはしたがしっかりとコナンを抱き止めた。

コナンの行動に驚きつつ、前方にいる男に視線を向ける。


「この子に、何か用ですか?」


コナンの行動を目の前の男が原因だと推測した安室は、睨みながら問い掛ける。

安室の睨みに一瞬男は怯みかけるが、すぐに余裕の表情を取り繕う。


「いいや。じゃあね、コナン君・・・・


男は安室にしがみつくコナンを一瞥し、去っていった。


男の姿が見えなくなると安室は先程とは違う優しい声音でコナンに問い掛ける。


「大丈夫かい、コナン君?今の男に何かされたのか?」


安室の問いにコナンは顔を上げずフルフルと横に振った。

そこで安室は気付いた。

微かだが、コナンが震えている事に。

今の男、確かにどこか異様な雰囲気がして、普通の子供なら怖いと思うかもしれない。

しかし、コナンが今の男を怖がるとは安室には思えなかった。

知り合ってまだ日は短いが、頭が切れ、しっかりして、他の子供とは違う、そんなふうに捉えていたから。


「(ただ単に、僕の思い過ごしか・・?)
とりあえずコナン君、離れてくれないかな?歩けないんだけど・・・」


ギュウッと安室にしがみついてたコナンは、少しだけ力を緩めた。

が、安室の服を離そうとしない。

どうしたものか。安室は悩んだ末、コナンをランドセルや買い物ごと抱っこした。

安室が抱っこする際コナンは安室の服を離したが、今度は安室の首に自分の腕を回して抱きついた。

コナンの行動にまた驚くが、依然震えているので問い掛けたり咎めたりしなかった。

コナンの震えが止まるまで、頭を優しく、あやすように撫でたりポンポン叩いたりしながらポアロに戻った。








その様子を、爪を噛みながら憎々しげに見つめる男が見ていたとは、コナンを気にかけていたこの時の安室は気付かなかった。







「ただいま戻りました」

「おかえり安室く・・・・・どうしたんだコナン君?」


安室に抱っこされてるコナンの姿にマスターが驚き、問い掛ける。


「実は・・・」


安室がコナンが怪しい男と対面した事を話そうとするが、コナンが安室の服を一際強く掴んだ。

気付いた安室は喋るのを止め、コナンに視線を向ける。

ずっと安室の肩に顔を埋めてたコナンが少しだけ上げ、黙っててほしいと目で伝えてきた。




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