ナイトメア集
「じゃあ、キールと一緒にいるこのガキは・・・」
「ただのガキがこんな所にいる筈がねぇ。恐らくシェリーに協力してる奴だろ。シェリーの事を承知の上でな。
だが、あの女に協力した事、我々を裏切った事、後悔させてやる・・!」
ニヤリと口角を上げ、ポケットから起爆スイッチを取り出し、蓋を上げる。
そして一思いにスイッチを押した。
「(安室さん・・・解除出来たのかな・・?)」
「コナン君、どこに向かってるの?」
「赤井さんのとこ。奴らをどう追い返すか作戦を立てないと。
その後にキュラソーを見つけて・・・」
「キュラソーの方は任せて。奴らを追い返した後では手遅れになってしまうわ!」
「わかった。お願い!
(キュラソーは組織の内情を知る数少ない人物。それはつまり・・・
見つけたぞ!組織を潰す鍵を!)」
「後は雷管に繋がるこの2つのコードを切れば・・!」
安室は起爆装置解体の最終段階に入っていた。
最後の1本を切って終わり。
しかし直後ランプが光った。
まさか失敗か!と思ったが液晶表示に受信OFFの文字が映し出される。
緊張が解け尻餅をつき安堵する。
「ギリギリだったな・・!」
カチッ カチッ カチッ
何度起爆スイッチを押しても観覧車に変化が無い。
安室に起爆装置を解除されたのだと悟ると、起爆スイッチを落とし踏み潰した。
ふと赤外線カメラによる画面越しに見えた無数の人影。
拡大させると見覚えのある面々だった。
灰原とキュラソーは子供達が乗るゴンドラの近くまで来た。
観覧車内部から顔を出さなくてはいけないがそんな事気にせず姿を現す。
ドクンッ
「――ッ!!」
突如感じた鋭い殺気に、青ざめた顔で上空を見上げる。
「見つけたわ!キュラソー!話が・・・」
水無が叫ぶが、彼女も上空に顔を向ける。
「赤井さん!」
「・・!ボウヤか?」
「奴らの今の状況は?」
「重機関銃の銃口をこちらに向けてる。
恐らく直接的な攻撃に入るのだろ・・・・・ッ!」
「? どうしたの?」
「銃口が・・・狙いをこちらに定めてきた!
それも正確にだ!」
「何っ!?」
「どうしたんだ2人共?一体何が・・・・・ッ!」
合流した安室が、コナンが、赤井が、驚愕の目を軍用ヘリに向ける。
計画の失敗、裏切り者の判明、欺かれた事、爆弾の解除。
それらがジンの怒りを頂点に達し、彼らに向けて怒りを叫ぶ。
「お前ら!!一斉に始末してやる!!」
黒い標準がコナンを、灰原を、赤井を、安室を、水無を捉える。
ついに暴かれたダブルフェイス。
彼らは生き残れるのか。
頂上決戦の火蓋が切って落とされた。
終わり
後書き
予告のラストが本編に無かったのと、
予告のラストを意識して、ガチで真面目に書いた為か長くなり、2ページに分けました。
この小話は正体がバレたという設定で書かせて頂きました。
ツッコム所が多々ありますがスルーでお願いします。(土下座)
ジンの「ダブルスフェイスは、ここまでだ」(←予告の最初の台詞)も入れようと思ってたのですが入れる所が無く断念しました。orz
こういう時ホント文才が欲しい・・!
ちなみに続きません。