妄想小話集

☆劇場版「黒鉄の魚影」より




組織のヘリに乗ってドイツのフランクフルトから日本の八丈島近海に建設されたパシフィック・ブイ近くの海上にやって来たジン。

目的は組織を裏切ったシェリーに似た子供(灰原)を直接この目で見る為。

ウォッカとキールが乗る潜水艦に合流する為ヘリからワイヤーロープで降りる。

髪が荒ぶり海水が飛び散って太陽の光が反射してジンをキラキラと輝かせる。

そしてジンはダンっと潜水艦の艦橋・・・・・・・






ではなく漁船に降り立った


「会いたかったぜ。江戸川コナ、ンッッ!!?」


ニヤける顔を抑える事なく、嬉しさで顔を上げればそこには口をあんぐりと開けてこちらを凝視してる阿笠博士しかいない。

目的の人物を探すがどこにもいない。


「・・・江戸川コナンはどうした?」

「し、・・コナン君はもう海の中を潜ってったぞ」

「Σ何!??今作の見せ場と言ってもいい俺のカッコいい降下シーンを見せて江戸川コナンが俺に惚れ直す大事なシーンを!!不在だと!!」

「(うわーーなんかいろいろ言っとるぞ・・・)」

「今行くぞ江戸川コナン!!!」

「Σいや待つんじゃ!!その格好で海に潜ったら溺れるぞ!!」


ジンが服を脱ぐ事なくそのままの格好で海に潜ろうとするのを阿笠が羽交い締めして止めた。


「離せ!!今頃江戸川コナンは酸素ボンベが外れて溺れかけてるに違いない!」

「縁起でもない事を言うでない!!」

「そして暗い海の中俺の助けを待ってるはずだ!!」

「妄想も甚だしいぞ!!」



「あの人はいったい・・?」

「私にもわかりません・・・ただ、もう一度撮り直しなのは確かです・・・」


攻防(?)を繰り返すジンと阿笠を丑尾と蘭はクエスチョンを浮かべながら見てる事しか出来なかった。


一方、


「兄貴・・もう到着してもいい筈なのに・・・まさか兄貴の身に何かあったんじゃ!?」

「ジンに限ってそれはないんじゃない?」

「それが、兄貴が映画に出ると何故か想像がつかねえ事が起こるだ!だからもしかしたら・・!!」

「(そう言えばあの子(コナン)が関わるとジンが何かとやらかすってベルモットが言っていたわね・・・)」


ジンがなかなか来ない事にウォッカが大層心配してるのとは反対にキールはジンがどこかで迷惑をかけているのでは?と別の事に心配していた。


そして、


「・・? (気のせいか?ジンがどこかでNGを出したような・・・それもくだらねぇことで)」


海中の中でジンの失態を感じ取ったコナンであった。



終わり




後書き


あの降下シーンでジンが潜水艦ではなく漁船に降り立たないかなぁと妄想して出来た産物がこちらです。

NGストーリーで書きたかったのでこちらの小話集に書かせて頂きました。
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