逃ゲテ。見ツケテ。



「コナン君パス!」

「おお!」


公園で元気にサッカーするのはコナンと灰原とお馴染みの少年探偵団。

コナンの表情は無邪気にサッカーを楽しむ少年そのものだ。

ボールは元太に渡り、ゴールに突っ走る。


「いけー!」


元太が力強く蹴った。

しかしボールはあらぬ方向へ飛んでいってしまった。


「ヤベッ!」

「何してんだよ元太!」

「もー!」


皆ボールが飛んでった方へ慌てて追い掛ける。








「無いですね」

「あれぇ?」

「この辺だと思うけどなぁ・・・」

「ねぇ、もしかしてこの家に入っちゃったんじゃない?」


歩美の言葉に皆その家を見る。


「無くは無いですね」

「マジかよ」

「だったらこの家の人にお願いしてボールを探させて貰いましょ」

「そーだな」


コナン達は玄関に回り、インターホンを鳴らす。

しかしいくら鳴らしても誰も出てこない。


「留守かしら?」

「え~?」

「どーすんだよボール!」

「元太君がこんなところまで飛ばすからですよ!」

「しゃーね。ちょっと見てくるからお前らはここにいろ」


コナンは庭の方に回りボールがないか探す。

すると垣根の所にボールがあった。


「(やっぱここに落ちてたか)」


さっさと出ようと駆け寄り、ボールを拾う。

ふとある一点に目がいく。

そこだけ土の色が他のと比べて違うように見える。


「(何でここだけ違うんだ?)」


探偵の性か好奇心旺盛なコナンは出る事を忘れしゃがみこみ、その部分を触る。


--………--


「? (なんだ?今、何か聞こえたような・・・)」

ガクッ

「Σ!? (なんだ?今度は何かが乗ったような・・・)」





「ボク?こんな所で何してるんだ?」

「Σ!!」


急に話し掛けられ勢いよく後ろに振り向く。

いつの間にいたのか、男がコナンの背後に立っていた。

その男は顔はむくんで四角い黒ぶち眼鏡をかけ肩につくぐらいのボサボサの長髪、体も大きいと言うより肥満体型といった感じだった。


「ご、ごめんなさい。勝手に入っちゃって。
ボールがここに落ちちゃって・・・チャイムを鳴らしたんだけど出なかったから留守かなーと思ってそれで・・・」


子供の口調で謝罪を述べる。

勝手に入ってしまった罪悪感はもちろんある。

が、それ以前にこの男は危ないと思っている自分がいる。

何故?どうして?この男とは初対面の筈なのに・・・。

早くこの男から離れなくては・・・、と思ってるのだが、この男から漂う雰囲気に動けない。




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