逃ゲテ。見ツケテ。



2人の言葉にカチンときたジンは、コナンの頭に手を乗せ、暫くしてから言葉を発した。


「・・・ぁー・・・まぁ、その・・・・なんだ・・・・・あー・・・」

「言葉が見つからないんですかね?」

「慣れない事をしようとしてるからな」

「・・・お前が襲われる前に、必ず助ける。だから安心しろ」


言葉は少ないがジンの思いが通じたのか、コナンの手が離れた。


「・・・どうだ?」

「・・・今落ち着いたみたい・・・」


ジンが空いてる手を上げ、指で涙を拭いてあげる。

コナンが嫌がる素振りを見せるがジンは構わず指で拭い取る。

2人のこの光景に赤井と安室が若干イラッとして、女はスマホを持って小声で「撮っていいかな?撮っていいかな?」とブツブツ言っていた。




なんやかんやあったが、今コナンは1人、あの男の家の前にやって来た。


すると1分もかからないうちに家から例の男が出てきて、コナンを正面に捉えた瞬間ニタァと笑みを浮かべた。


「アレですよアレ!!やっぱり実物も気持ち悪っ!!」

「確かに気持ち悪いな・・・」

「今撃った方がいいんじゃねぇか?」

「駄目ですよ」

「おい、ボウヤが連れて行かれるぞ」


男がコナンの手を掴み家の中に連れて行った。

ジン達はカメラに写らないギリギリの所まで近付き、玄関を覗く。


「施錠は・・・されてるでしょうね」

「どうします?裏に回って窓を割って中に入りますか?」

「意外と大胆だなキミ。だがそれは止めた方がいい。窓を割った音で気付かれてしまう」

「そっか・・・」

「・・・バーボン、その女の耳と目を塞げ」

「? 何故・・・まさか・・!?待って下さい!!こんな所で・・・」

「問題無い。消音器サイレンサーは付けた」

「そういう問題ではない!」

「え?何が起ころうとしてるんですか?え?」

パシュッ

バキ

「よし」

「よし、じゃないでしょ!」


ベレッタを取り出したジンは消音器サイレンサーを取り付け、安室の制止を無視して監視カメラを撃った。

安室はギリギリ女の耳を塞ぎ、体の向きを反対に向けたので見るところを阻止した。


「赤井!何故止めなかった!?」

「この方が手っ取り払いだろ」

「人に見られたらどうするんだ!?」

「人っ子1人いないし、住宅もそんなに無いから大丈夫だ」

「あーもー!」

「あの、すみません、そろそろ離してくれませんか?」

「バーボン、扉開けろ」

「(この男いつか絶対逮捕してやる・・!! (怒))」


頭にキタがコナンの身が心配な為今は何とか耐えて、耐えて(2回言った)、ピッキングを開始した。

あの男が監視カメラが壊れたのを気付く前に。


「・・・すみません、ちょっと離れても良いですか?」

「どこに行くんだ?」

「探し物を。よっぽどの事がなければ呪われないかなと」

「呪いなんてあるか」

「・・まぁ信じないならそれで良いですけど。では」

「あぁ」

「開きましたよ」

「俺達も行くぞ」


女は裏側に回り、ジン達は中に入った。




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