逃ゲテ。見ツケテ。



30分程前―――


例の男の家の近くまでやって来たコナン達。

車を見つからない所に停め、車内にて作戦会議を開く。


「それで?どんな案なんだい?コナン君」

「ぇっと・・・ボクが直接、あの男に会うんだけど・・・」

「危険だ。君はその男に狙われている。もし何かされたらどうするんだ?」


コナンの案に赤井がすぐに反対する。

他の者もその案には反対の模様。


「そりゃあボクも本当は会いたくないんだけど・・・・・でも解決しないとボクに取り憑いてるこの子は成仏してくれないし、あの男を捕まえる事も出来ない」

「捕まえる?」

「・・・ボウヤ、水を射すようで悪いが、いくらあの男が君を狙っているとは言え警察はそれだけじゃあの男を逮捕しないだろ」

「サツじゃなくても他の奴らもソイツを犯罪者だなんて思わねぇだろ」


すると何か考えていた女が口を開く。


「・・・いえ。言い逃れの出来ない証拠を掴めれば出来ます」

「証拠?」

「あのキモデブの部屋に取り憑いてる子の髪の毛とか指紋とかあれば・・・」

「だからボクがわざとあの男に捕まって、あの男の部屋に行って、手掛かりを探そうと・・・」

「しかし、もしそれでボウヤが襲われたらどうするんだ?」

「コナン君、君はもっと自分の事を大事にすべきだ」


赤井と安室が何とかコナンの考えを改めようと促すが、そこへジンが口を挟んできた。


「・・・・・いいじゃねぇか。やらせれば」

「・・何?」

「どういうつもりですか?」


コナンの案に賛成なジンに、赤井と安室が微かな怒りを露に問い掛ける。

しかしジンは煙草を口にくわえ、落ち着いた口調で答える。


「そのままの意味だ」

「コナン君が危険な目にあってもいいのか!?」

「そうは言ってねぇ。コイツがその男に襲われる前に俺がその男を始末する。それでいいだろ」


火を付けながら淡々と助ける宣言をするジン。

ジンの言葉に2人共ハッとするがすぐに反論する。


「殺しはダメです。そこはせめて半殺しにしてあの男に反省をさせるべきです。というかコナン君は僕が助けます」

「甘いぞ安室君。例え半殺しにしたところでその男が同じ事を繰り返さないとは限らないだろ?俺がその男に二度とこんな事をしないように言い聞かせながら4分の3殺しにする」

「引っ込んでろ赤井秀一。江戸川コナンは俺が助けに行く」

「アナタに任せるわけにはいきません。僕が行きます」

「2人共落ち着け。こう言うのは俺に任せろ」


最初は反対してた赤井と安室もいつの間にか賛成のようで、(もし)コナンが危なくなったら自分が助けると3人共口論し出した。

コナンは物騒な言葉を吐く3人にツッコミをいれるべきかオロオロし、女はにやける口を手で隠し目の前の光景を食い入るように見て会話を一言も聞き逃さないように耳を立てていた。




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