3兄妹と誕生日



「サンキュー吉兄!コナン君ホントーにごめんな!こんな中途半端なデートになっちゃって」

「Σデ、デート!?デートしてたの!?」

「世良の姉ちゃん声が大きい!」

「良いじゃねーか本当の事だし」

「誤解を招く言い方やめて!」

「・・・真純、早く帰らなくちゃいけないんじゃなかったのか?」

「あっ、そうだった。じゃーなコナン君、近いうちにプレゼント渡しに行くからな!」

「プレゼント?」

「んー?もしかして今日何の日かわかってないのか?」


世良はコナンを抱き締めて、教えてあげようとせず意地悪な笑みを浮かべるだけ。


「今日って・・・みどりの日でしょ?」

「あーやっぱりわかってないな!」

「真純」

「わ、わかってるよ。じゃあ今日のところはコレで」


すると世良がコナンの頬に軽いキスを送った。

驚愕するコナンと秀吉にイタズラっ娘の笑みを浮かべて世良は去っていった。


「・・・・・・コナン君。キミと真純って付き合って「ないから!」


秀吉の誤解をなんとか解いたコナンは疲れきっていた。


「妹がごめんね」

「あーうん、もう大丈夫。ところで太閤名人はどうしてここに?」

「実は今度この近くで将棋のイベントをやることになって、その打ち合わせに」

「そうなんだ」

「そうだ。もし良かったらコナン君も来てみてよ。お友達も誘って」

「うん。アイツらに聞いてみるよ」

「ところでコナン君はもうご飯は食べたのかな?僕はこれからなんだけど、良かったら一緒にどうかな?」

「いいけど、ボクそんなに入らないよ」

「コナン君って少食?」

「いや、さっきポップコーン食べてそれで」


そして2人は近くの飲食店で昼食を取る事に。

運ばれてきた料理を2人で分けて食べていく。


「コナン君頬にソースついてるよ」

「わっ、ありがとう」

「懐かしいな~。小さい頃の真純を思い出すよ。こうやってよく口の周りを拭ってあげたんだ」

「そうなんだ」


秀吉に頬に付いたソースを拭ってもらうコナン。

懐かしさに顔を綻ばせる秀吉にコナンは嫌な顔せず聞いてあげる。


軽い談笑を交え、昼食を終えた2人。

秀吉がコナンを送り届けようとした矢先、女性の叫び声が。

2人は叫び声がした方に走り出し、事件に遭遇。

警察が来て、だがコナンと秀吉の活躍により犯人は逮捕された。

2人は事情聴取を受ける事になり、終わった頃には暗くなってしまっていた。


「すっかり遅くなっちゃったね」

「うん。そだね」

「タクシーを捕まえてくるからちょっと待ってて」

「ありが・・・・・ん?電話?」


コナンがお礼を言おうするとスマホが鳴ってる事に気付く。

画面には<沖矢 昴>と表示されていて、秀吉に断りを入れて電話に出る。


「もしもし?」

『ボウヤ、今どこにいる?』

「今?ちょっと事件に巻き込まれて、事情聴取を終えて警視庁から出たところだよ」

『フッ、相変わらずだな』

「いや好きで巻き込まれたわけじゃないから」

『1人か?』

「ううん。太閤名人と一緒だよ」

『秀吉と?』

「うん。これから太閤名人と帰るところ」

『10分待ってくれ』

「え?」


すると電話の向こうから電子音が聞こえ、


『すぐに迎えに行く』

「Σえ?赤・・・」


コナンが声をかける前に昴――赤井が電話を切った。


「えぇーー・・・」

「保護者から?」

「いや、赤井さんが迎えに行くから待っててって」

「兄さんが?」


それから10分後、2人の前に赤のマスタングが停車した。

運転席には素顔の赤井が乗ってる。




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