腐男子コナン君のお気に入り
「安室さん離して!あとで大変なことになっちゃうよ!」
「?・・・ああ大丈夫だよコナン君。もしこの男が襲い掛かってきても僕は負けないから」
いやいやいやっ!!きっと赤井さんの甘いマスクにクラっときて押し倒されるよ!!
そして『他の男に抱き着いたお仕置きだ』とか言われてやめてと言ってもやめさせてくれないよ!!
次の日立っていられないほど腰が痛くなるよ!!
「安室さん明日も仕事でしょ!?だからこれ以上は・・・」
「コナン君・・・そんなに僕の体の心配を・・・!
大丈夫だよ。コナン君を抱き締めることぐらいどうって事ないさ!」
ちげーよ!!いい加減気付けよ!!ほら!さっきから赤井さんがすごい睨んで・・・
「安室君。ボウヤが離してほしいっと言ってるんだ。離してやれ」
席を立った赤井さんが、片手で安室さんの肩を押し、もう片方の手でオレを自分の方へ傾けてオレを解放してくれた。
「あまりしつこいと、ボウヤに嫌われるぞ。まっ、俺はその方が都合いいが」
「Σっ!! ご、ごめんねコナン君、僕の事嫌いにならないで」
「ぁ、うん、大丈夫だよ。安室さんの事嫌いにならないよ?」
安室さんからしょんぼりする犬耳が見える・・・ι
それにしても、赤井さんの最後の言葉はどう意味だ?
「・・・ボウヤ、ちゃんと食事は摂っているのか?体が細く見えるから心配だ」
「え?ええ!?」
「赤井!!どさくさに紛れて何コナン君を抱き締めてるんだ!?」
「君もボウヤを抱き締めていただろ?」
「ぐっ・・それは・・」
・・・・・Σハッ!!そうか分かったぞ!!赤井さんはオレを抱き締めることでさっきまで自分が抱いてた(嫉妬と言う)感情を安室さんに伝えようとしてるんだ!
だから安室さんも赤井さんの気持ちが分かって反論が出来ないんだ!
すごいよ赤井さん。そしてなんて尊いんだ!
「いい加減コナン君を離せ!!お前のヤニ臭さがコナン君に移るだろ!」
「おいそんな強引に・・」
オレが妄想に耽っていたら安室さんが力付くと言わんばかりにオレと赤井さんを引き剥がしにかかる。
するとどういったわけか、安室さんがバランスを崩し、赤井さんに抱き着いた・・・
「ごちそうさまでしたっ!!!」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤb(以下略)
顔がニヤけてヤバイ!!
このままあの場に居て2人を見たかったが2人の邪魔をしてはいけないと思いすぐにその場を去って居候させてもらってる住居へと駆け上がった。
そして今すぐこの馳せる思いを同士に知らせたいし爆発した妄想を書き上げたい!!
「お前のせいでコナン君が気まずくなって出ていってしまったではないかーーー!!!」
「人のせいにするな。元はといえば君が俺に抱き着いてきたんだろ」
「抱き着くとか言うなっ!!気持ち悪いっ!!
だいたいお前はいつもいつも、僕が(買い出しの帰りを装って)下校中のコナン君と一緒にいるところに割り込んで邪魔しやがって!」
「その言葉、そっくりそのまま返すぞ。
ボウヤが工藤邸で俺と一緒に読書中のところに君は宅配業者と名乗って勝手に上がり込んで邪魔をしてくるではないか」
「お前みたいな極悪人とコナン君を2人っきりにさせるか!とにかく!これ以上僕とコナン君との仲の邪魔をしないで下さい!」
「それは出来ないな。俺もボウヤの事を気に入ってるんだ。譲る気はない。君の方こそ諦めたらどうだ?」
「な、んだと赤井ィイイイ!!」
カウンターの裏に仕掛けたままの盗聴器から2人の会話が眼鏡のツルから流れていたが、2人をモデルにしたBL小説を打ち込むのに夢中になってたオレは聞いてなかった。
そして今日もオレは2人の妄想に明け暮れるのだった。
終わり