1日早い誕生日
「ハハ、ゴメンゴメン。はいこれ」
「ぁ、ありがとう」
カップに注がれたココアを受け取り、コナンはそれを飲む。
甘すぎないちょうど良い味に顔が綻ぶ。
「おいしい」
「それは良かった」
「安室さん、もし公安クビになったらカフェ開くといいよ。もしくは俳優」
「ハハ、考えとくよ」
「(まぁ無いと思うが)」
コナンの冗談を安室も乗る。それからまたコナンは本を読み出す。
「コナン君ご飯出来たよ」
「はぁーい」
丁度本を読み終えたところで安室から声がかかり、本を元の位置に戻す。
リビングのテーブルに料理が並べられ、食欲をそそる見た目と香りにコナンは目を輝かす。
「うわ~~おいしそう~~」
「ありがとう」
「ぁっ。ごめんなさい安室さん。お手伝いしてなくて・・・」
「良いよ。君は客なんだから。おっと、そうだ。コナン君シャンパン飲もう」
「・・・安室さん、ボク未成年だけど」
シャンパンを勧めてくる安室にジト目で念を押すコナン。
しかし安室は返ってくる言葉が分かっていたのか悪戯っ子な笑みを溢す。
「フフッ、これはシャンパンジュース。つまりシャンパンに似た炭酸のジュースさ」
「あ、そうなんだ」
それならとコナンは飲む事に。
グラスに注がれるシャンパンジュースを見ながら安室に質問をする。
「それにしてもどうしてシャンパンジュースを出したの?それにこのご飯もなんか豪華だよね?」
「だって明日は君の誕生日だろ?」
「・・・へ?」
突然の安室の言葉に一瞬固まってしまったがすぐに肯定する。
「そうだけど・・・それとなんの関係が・・・。
(てか、何で知ってんだ?)」
「本当は明日、僕も君の誕生日会に参加したかったんだけど、どうしても外せない用事があってね。それに、僕は君と2人っきりでお祝いしたいから。
だから蘭さんにお願いして今日君を預からせてもらったんだよ」
「・・・そうだったんだ・・・///」
優しい笑みで、まるで恋人に見せるような笑みで言われてコナンの頬が赤く染まる。
「(こういう事よくサラリと言えるなこの人・・・)」
「コナン君、1日早いけど、誕生日おめでとう」
「ぁ、ありがとう」
グラスを掲げる安室にコナンも慌ててグラスを持ち、軽くグラスをぶつけた。
「さっ、召し上がれ」
「いただきます。・・ん~・・おいしい!」
「それは良かった」
料理の味はどれも絶品でコナンの気分は上々。
食後のデザートではレモンパイが出てきた。
そのパイに蝋燭が灯され、これが誕生日ケーキなんだと解釈する。
「普通にケーキにしようか迷ったんだけど、コナン君レモンパイ好きだからこっちにしたよ」
「ありがとう安室さん!
(だから何で俺がレモンパイ好きなの知ってんだ?)」
疑問はあれど、そのレモンパイもポアロで出されてる特性のケーキと同じくらい(いやそれ以上に)絶品だった。
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