気にしない

僕はもっと、この髪の色を好きになれるよ。



          〖気にしない〗



喫茶ポアロにて、客はコナンしかおらず店員は安室のみ。

2人は他愛ない話をする。


「そう言えば、前から気になってたんだけど、安室さんの髪って地毛なの?」


ふとコナンが安室の髪を見て質問してきた。

安室が自分の髪の先を掴み答える。


「うん。そうだよ。僕ハーフだから、こういう髪の色なんだ」

「え?安室さんってハーフだったの?どっちの親が外国人?」

「ホントに君は詮索好きだね。けど秘密。
子供の頃同年代の子達にこの髪の色をからかわれてね、よく喧嘩したんだ。日本で産まれて、日本で育ったのに、どうしても、ね。一皮剥ければみんな同じ、赤い血が通ってる人間なのにね」


微笑む安室だかその表情は悲しげなものだった。

すると黙っていたコナンが口を開く。


「・・・そうだね。みんな同じ人間なのに、1ヶ所だけでも自分と違う箇所があったら差別してしまう。
だけど、僕は安室さんのその髪の色、綺麗で好きだよ」


にっこりと正直な気持ちを口にする。

安室は思いがけないその言葉に驚き目を見張る。

だけどすぐにフッと微笑み返す。


「ありがとう。僕もコナン君の事が好きだよ」

「・・・・・うん?
(あれ?俺、安室さんの髪の色が好きって言っただけで、別にそういう意味で言った訳じゃ・・・)」

「コナン君、ジュースおかわりする?僕が奢るよ」

「えっ、いいよ、悪いよ」

「いいからいいから♪」


安室の表情はいつもみんなに向けてる人懐っこい笑顔だった。




終わり
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