逃ゲテ。見ツケテ。



コナンを落ち着かせようと赤井は無理矢理コナンを抱き締め言い聞かせる。

赤井の行動が気に入らないのか安室が口出ししようと開きかけるが、前方の角から誰かがやって来た事で口を閉じる。

2人共コナンを守るように突然現れた人物に警戒する。

しかし現れたのは16か17に見える女だった。

女は一瞬赤井と安室をギョッとした目で見るが、コナンを見るや表情を変えた。

さらに3人の後ろを見ると険しい表情となり、コナンと後ろを交互に見ると慌てた様子で声をかけた。


「早く!その子を連れて逃げて下さい!」

「「・・?」」


女の言葉に赤井と安室は疑問を浮かべる。

女は2人の視線を気にせずそばまで寄るともう一度声をかける。


「早くっ!急いでっ!」


女の切羽詰まった顔に2人は言う通りにした。

赤井はコナンを抱き抱え、3人共走る。


「おい、君には何か見えるのか?」

「ええ、まあ 」

「だが後ろには何もいないぞ」

「そりゃあ・・・

ヒトじゃありませんから、アレ」

「「?」」


意味深に言う彼女にまたもや疑問が浮かぶ。


「まぁ確実に言える事は・・・

その子、狙われてますよ」


女はコナンを指す。

言われた言葉に赤井も安室も目を見開く。


「それはいったいどういう事ですか?」

「それは後で!今はアレから逃げないと!」

「アレって・・・いったい何が見えてるんですか?」


後ろやビルの屋上や人ん家の屋根の上なども見るがやはり誰もいない。


「それも後でっ!ていうか早っ!何あのデブっ!?瞬間移動みたいに迫ってきてる!」

「・・デブ・・?」


その単語に、安室の脳裏に最近出くわしたある男が浮かぶ。


「どこか隠れる場所を探さないと・・・」

「・・・っ!来たぁ!!」

「え?Σぎゃあああ!!いつの間にかすぐ近くまで来てる!!」

「!?」

「何!?」


コナンがますます怯え、赤井にしがみつく。


「お2人はそのまま・・走って、下さい・・・私が、時間を稼ぎますん、で・・・」

「出来るのか?息が切れて辛そうだぞ」

「キッツ・・・大丈夫です・・・運動不足なだけ、です・・・。まぁ、どこまで時間が稼げるかわかりませんけ、どっ!」


女は走りながらカバンの中を漁ると、何かを掴みそれを後ろにバッと投げた。

それは白い小さな結晶だった。

するとコナンと女が耳を押さえた。


「うるさっ。悲鳴までなんか気持ち悪い・・・」

「・・・大丈夫なのか?」

「はい・・・とりあえずは・・・。今のうちに逃げないと・・・」


ふと赤井の視界にある物が入った。

それは見覚えのある黒い車。

すると赤井は方向転換して、その車に向かった。




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