あの共演の話が来たのが奇跡。



　　　　　　　　　☆出会いがきっかけ☆



「え！？それ本当スズさん！？」

「えぇ。今度のドラマの撮影にはなんと、あの華蓮さんと共演よ。しっかりね」

「はい！！」


彼女の名前はビュティ。今人気急上昇中の若手女優。

現在彼女主演である少女向けの特撮ドラマが大人気。

そんな彼女のドラマにマネージャーのスズが、今度ある人物と共演だという話を聞き、舞い上がる。

その人物とは、華蓮。

華蓮は、人気沸騰中の２人組バンドのボーカルを担当。

相方であり兄のような存在でもある廉瓜は作詞・作曲、ギターやその他楽器を担当。

２人の歌唱力及び演奏力は抜群で、デビューしてからそれほど経っていないにも関わらず、今やトップアイドル達と並ぶほどの有名バンドである。

ファンも多く、ビュティもその１人である。

そして現在ビュティ主演の特撮ドラマのオープニング、エンディングを担当している。

その時プロデューサーの目に華蓮がとまり、出演してみないかと話を持ち込み、共演となったそうだ。

ビュティは嬉しい気持ちで自分のカバンを漁り、１枚のCDを取り出す。

ジャケットには華蓮と廉瓜が写っている。

顔をパァァと明るくさせ、見つめる。

華蓮に会えることはもちろん、ある人物とも会えるのではと期待が膨らむ。


「スズさん、あの・・・廉瓜さんも来られるんですか？」

「え？えぇ。出演されないけど、華蓮さんの付き添いで来るそうです」


その報告を聞いただけでさらに明るくなる。

同じ事務所に所属してるのだがお互い忙しい身な為まだ会ったことがなく、ようやく会える事に嬉しいのだ。

期待に満ちた目で２人が写ってるジャケットを見つめ、撮影日が待ち遠しくなった。



撮影当日。

ビュティとスズが現場に着けば、そこには会いたかった人物が２人―華蓮と廉瓜―がすでにそこにいた。


途端誰が見ても分かるぐらいビュティの顔が明るくなり、２人を見つめる。

その視線に気付いたのか廉瓜がこっちに振り向いた。

目が合うとビュティの顔が今度は赤くなり、思わず目線を下に下げて反らしてしまった。

廉瓜は気にせず（気付かす）華蓮の肩を叩いて呼び、視線をビュティに向けて来たことを知らせる。

華蓮は慌ててビュティに近付き、廉瓜も後から付いてきた。




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