お礼はチョコを
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ?・・・確かに。チョコしか見てなかったから分からんかったわ」
「じゃーこうしよ。君が俺達と遊んでくれるんならこのチョコ返してやる」
「はあ!?何それ!?ふざけないで!!」
「そんな冷たい事言うなよ。それとも、チョコいらない?」
「それは・・・」
「はい決定!」
「じゃあまずどこ行く?」
「カラオケっしょ」
「ぃ、嫌!!離して!!」
手首を掴まれ連れられそうにメイが怯える。
振りほどこうとしたり足を踏ん張ったりするが男子の力の前では無駄な足掻きだった。
助けを呼ぼうにも人気が無い。
「離してよ!!」
「マジでうるせーな」
「じゃあよ、あそこで黙らすか?」
男子が指す方向。そこは廃れてしまった工場。
何をされるのか悟ったメイは、顔から血の気が引いてくのが分かった。
工場に向かおうとする男子達に叫ぼうと口を開く。
「カギ真拳「LOCK」!!」
ガシャーン
だが突然、メイのチョコを奪った男子が止まった。
まるで時が止まったかのように、ピクリとも動かない。
「何してんだ、テメーら」
メイが突然後ろに引っ張られ、すると聞き覚えのある声に驚き振り返る。
カギを持った破天荒がメイの腕を掴み、男子達を睨み付けていた。
「そいつ連れてとっとと消えろ。じゃねーと・・・」
破天荒がカギを見せると、男子達は小さい悲鳴をあげ、止まった男子を担いでその場から走って逃げた。
担がれた時男子の手からチョコが落ちたが、男子達は気付かず、とにかく破天荒から逃げたかった。
メイは落ちたチョコを拾い、手で払う。
「良かった・・・」
「大丈夫か?」
「ぁ、うん・・。破天荒君、助けてくれてありがとう」
「たく、あんな連中に絡まれて、トロイな」
「Σはあ!?トロイって何よトロイって!?」
「んな事より、ソレ、何だよ?」
カチンときたメイが怒るが、破天荒はメイが持つ物に視線を向ける。
話題を変えられたがメイは答える。
「何って、チョコだけど・・」
「バレンタインのか?」
「う、うん・・・」
「・・・誰に渡すんだ?」
「な、何でそこまで答えなくちゃいけないの?」
渡す相手を話さないメイに破天荒がイライラしだす。
するとそのチョコを奪うとリボンをほどき、メイの制止も聞かず袋を開けて食べだした。
「Σちょ、ちょっと!?」
「・・・助けた礼として、コイツ貰う」
身勝手な破天荒に、思わずポカンとしてしまう。
しかし怒りは沸かない。
だって形はどうあれ、渡す事が出来たのだから。
メイは破天荒に気付かれないように小さく微笑んだ。
「・・良いよ全部食べて。破天荒君にあげるチョコだったから」
「Σっ!!!? ゴホッゴホッ」
思わぬメイの言葉に驚き、そのせいでむせた破天荒。
イタズラが成功した微笑みを浮かべるメイに、破天荒の顔が赤くなった。
END