100年越しのキス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
呼吸がうまく出来ない…頭の中がグチャグチャする…夢の中でしか会った事ないはず、なのに、なんで…
なんで、こんな悲しい気持ちになってるの?
なんで涙がこんなに流れてるの…?
「Σうっ」
頭が痛い…
頭の中で次々と流れ出てくる出来事…
ツル·ツルリーナ3世による世界征服、その後3世含む毛狩り隊全員がコールドスリープ装置に入った事、その中には彼…ランバダもいた事…
1人病室で死を迎える、私…
「……!こ、これって…もしかして…」
「あれあれ~?どーしたのー?こんなところで蹲っちゃって?」
「Σ!!」
数人の足音、下卑た笑い声、しまった…変な人達に絡まれた…!
「具合悪いのー?」
「オレ達が優しく介抱するよー」
「ぁ…だ、大丈夫…です……」
「だいじょーぶには見えないよー」
「ほらオレ達が休める場所に連れていくよ」
「ひっ」
私の腕を掴んできた。
ヤダ…怖い…誰か、助けて…
ふと、思い出したのは彼…
「ランバダ…」
「おい」
「ああ?…Σ!!ひぃっ!!」
低い声色と突然私を取り囲んでいた人達の怯えた声に何事かと後ろにそっと振り向く。
思わず私も怯えた声が出そうになる。
離れた位置にあの人…ランバダと、その後ろに控えてる鎌を持った魔王みたいな大きな恐ろしい存在に。
「今すぐソイツから離れろザコ共。さもなくば魔王ルシファーの餌食にするぞ」
「「「ひぃぃぃ!!すみませんでしたーーー!!!」」」
バタバタと慌てて私から離れる数人。
すると彼があの恐ろしい存在を消して、こちらに近付いてくる。
あんな恐ろしいものを見て、普通なら私も逃げるのに…足が動かない。
ただそれは恐怖によるものではなく、先程の絡まれた事で腰が抜けたとかではなく、
近付いてくる彼に期待してるから。
「ラ、ランバダ…」
私が彼の名前を呼ぶと、彼はしゃがんで私を強く抱き締めてきた。
抱き締められてる箇所が痛いが、それ以上に懐かしいと嬉しい気持ちが溢れて、また涙がポロポロと流れてきた。
この感覚を私は知ってる。この気持ちを私は覚えてる。
ああ…なんで今の今まで忘れていたのだろう…
思い出した……私はこの人の…ランバダの恋人だったんだ。
「ランバダ…ランバダ…!」
「名無し…!名無し…!」
「ランバダ…あの日、別れを告げたのは、永い眠りに就くから、だったんだね…?」
私も抱き締め返して、嗚咽をあげながらあの日の事を訊いてみると、ランバダは短く「あぁ」と答えた。
「オレと別れて、別の誰かと一緒になって、幸せになってほしかった…」
「でも私、ランバダ以外考えられなくて、ずっと1人で…」
「…!…スマナイ。お前の為だと思っていたのが、逆にお前を苦しめさせていただなんて…」
私はランバダの肩に顔を押し当てて、ランバダの温もりを体全体で感じる。
「…ねぇランバダ…ランバダはもう、別の人と付き合ってるの?」
「そんなわけあるか!!オレは今も昔も!お前だけを想い続けてる!!!
名無し、また勝手な事を言う。もう一度オレと付き合ってくれ」
「!」
真剣な眼差しで見つめられ、また、告白された。
そんなの、決まってるじゃない。
「今度は、途中で別れたりしない?」
「あぁ」
「今度こそ、生涯一緒にいてくれる?」
「もちろんだ」
その答えを聞いて、私は自然とニッコリ笑みが浮かんだ。
「今度こそ、私の前からいなくならないでよね。ランバダ」
私の答えを聞いて、ランバダは私にキスをしてきた。
そのキスは悲しいものではなくて暖かいもので、私の気持ちは幸せでいっぱい。
だって、愛しい彼とまた会えたんだから。
終わり