逆バレンタイン ~敵キャラver~
これを。娘達からだ。
いつも遊んでくれるそのお礼だそうだ。
わかった。娘達に礼を伝えておこう。
それと、俺からもお前にチョコがある。
・・・何だその驚いた顔は。
菓子作りは大変だったが、娘達と作るのもいいもんだな。
・・・なんだその笑みは。
ちゃんと父親らしい事をしてるんだな、だと?当たり前だ。
暇さえあれば娘達の相手をするのは父親としての義務だ。
・・・とは言っても、最近忙しくてなかなか娘達と遊んであげられなくてな。
娘達に寂しい思いをさせてしまってないか、ちゃんと父親らしい事をしてしているのか。
それに・・・母親という存在が必要ではないかと最近思えてくる。
前の妻は娘達がまだ小さい頃に亡くなってしまってな。だから娘達は顔を覚えてない。
だが最近、母親が欲しいと言ってきたんだ。
それも身近な人物をだ。
しかも娘達の話だと俺もそいつの事を気に入ってるらしい。
そいつの前だと俺は優しい笑みを浮かべるんだと。
初め聞かされた時は驚いたが、妙に納得してる自分がいた。
だからそいつの為になら、面倒なチョコ作りも途中で投げ出さず作れた。
・・・返事、後で聞かせてくれ。
※箱いっぱいのミニハート型のチョコの中に結婚指輪が。
END