「何やってんだ？」

「あっ、オ、OVER・・・」


名無しの手を掴んで倒れるのを阻止させたのはOVERだ。


「なんでOVERがここに？」

「部下（バカ）共がスケートしたいって言ってよ・・・・・お前らだけで行けっつってんのに一緒に来てくれってうるさくてよぉ・・・・・仕方無くだ」

「そうなんだ。部下思いなんだね」

「そんなんじゃねぇ。で？お前は１人でスケートか？」

「いえ。友達と来たんだけど・・・滑り方を忘れちゃったので少し練習を・・・」

「ふーん」

「じゃあね。さっきはありがとう」


OVERにお別れし、練習再開しよう滑り出した。

が、


「Σキャッ！」

「Σ危ねっ！」


また転びそうになり、OVERが慌てて手を差し伸べて名無しの手を掴んだ。


「あ、ありがとぅ・・・」

「お前、実は運動音痴か・・？」

「Σな！？違う！！そんなんじゃ・・・」

「あー分かった分かった」


必死に否定する名無しにOVERは溜め息を吐く。


「あー・・その、何だ・・・練習付き合ってやるぞ？」

「え？いえ、そんな・・・」

「勘違いするな。お前１人にしてくと危なっかしくて俺が落ち着かねえんだよ。これは俺の為なんだよ。お前が怪我するんじゃねぇかという心配なんて全然してねぇからな」

「(何それツンデレ？ι)」


一応これはOVERの心遣いなんだと理解した名無しは嬉しくなり、お願いした。


「じゃあ・・お願いします」

「おう。ところで・・・スケートってどうやるんだ？」

「Σええええええ！！！！？滑り方知らないのに練習付き合うって言ったの！？」

「う、うるせえ！！ようはあれだろ、鋏をコレ（リング）に突き刺して滑っていけばいいんだろ？」

「違うよ！！てかそれ絶対やっちゃダメッ！！！」


こうして名無しとOVERはお互い手と手を取り合いながらリング内を閉館時間までゆっくりした足取りで練習したそうだ。


そして最後まで友達は名無しの前に現れなかった。

理由を訊いたら、


「邪魔をしちゃ悪いと思ったから♪」


だそうだ。




ＥＮＤ



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