旧·過去拍手文



職員室を後にした三人はとりあえず警察に電話をし、校内にいる(かもしれない)泥棒を探し歩いていた。


コナンにはもう帰るよう言おうとしたが、途中犯人に出くわすかもしれないため同行することになった。



「ん?」


「どうした、ボウヤ?」


「ねぇ、あそこ!」



するとコナンが何かに気付いた。


中庭を挟んだ向こうの校舎二階を指差す。


二人はそちらに目を向けると二階のドアの前に人影を見えた。



「あそこは、美術室・・・」


「行くぞ」



三人は出来るだけ足音を立てず美術室に向かった。




美術室の前に着いた三人。


ジンがドアに手をかける。


少し力をつけて開くかどうか確かめる。


しかしそこはすでに鍵がかかっていた。



「ちっ、一足遅かったか」


「とりあえず何か盗まれてないか、痕跡はないか探すため中に入るか」


「え?でも鍵がない・・・」


「それぐらいお前に言われなくても分かってる」



コナンの言葉を遮りジンは近くにあった消火器を持つ。



「せーっの・・・」


「ちょっと待ったーーーΣ!!」



消火器を持ち上げドアに付いてる窓に消火器をぶつけようとするジンにコナンが慌てて止めに入る。



「なんだ江戸川」


「いやなんだじゃなくて!ジン先生何しようとしてんですか!?」


「何って、窓を割って内側にある鍵で開けようとしてんじゃないか」


「なんで消火器で窓を割るんですか!?」


「そうだぞジン、バカか」



コナンに続いて赤井も口を開く。



「そのまま割ったらガラスの破片が散って後片付けがメンドクサイだろ。

割る前にガムテープを窓に貼ってその上から割れ。

そうすれば後片付けしなくて済むだろが」


「そうそ・・・Σって、違いますよっ!!」



反対するかと思いきやジンにアドバイスする赤井にコナンは頭が痛くなった。



「(なんで割ることが前提なんだよこの二人!!?)」



仕方なくドアの上の方にある小窓からコナンが中に入り、鍵を開けてもらうこととなった。



何とか中に入ることに成功した三人は何か盗まれてないか、また、何か手がかりが無いか探す。



「ん?」



何かに気付いたコナンは一旦美術室から出て、隣の美術準備室のドアが少し開いていることに気付く。


美術準備室のドアの隙間から中を伺う。


慎重に中を見ながらドアを開けていき、中に入る。


特に変わったことがなくドアの方に振り向こうとしたその時、


誰かが後ろからコナンの口を手で塞いだ。






「ん?」


「どうした?」


「・・・江戸川は?」


「え、」



ジンと赤井はコナンがいないことに気付き、美術室から出ようとすると、



――タタタタッ



「?」


「・・・足音・・・?」


「それも子供の・・・まさか、ボウヤ・・・?」



二人は美術室から出て、足音のする方へ向かう。



「何勝手に行動してんだ。

これでもし犯人と会ったら・・・」


曲がり角を曲がると角を曲がろうとする子供の足が見えた。



二人はその後を追っていく。




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