旧·過去拍手文



3人で歩いていくとふと赤井が口を開いた。



「それにしても、俺はてっきりあの“噂”を確かめようとして学校に入ったかと思ったよ」


「あ?あの“噂”・・・?」


「なんだ知らないのか。

ほら生徒たちの間で流行ってるあの・・・」



そこまで言うとああ、アレかと思い出すジン。



「ねぇ、その噂って“夜誰もいない学校に人が歩いてる”っていう、あの噂?」


「あぁ。まぁどうせその人、見回りをしていた公務員の人か先生方だろ」


「いや、生徒の話じゃそいつ、ガキみたいだぜ」


「子供?」


「あぁ、前に確かめようとバカな生徒(ガキ)どもが学校にやって来ていざ入ろうとすると窓にそのガキがいたらしく、こっち見てにた~と笑っていたんだとよ。

で、怖くなって帰ったんだと」


「ふーん・・・」


「どうせ自分の姿が窓に映ったんだろ。

くだらねぇ」


「なんだジン、お前ビビってるのか?」


「・・・テメェ、今なんて言った・・・」


「怖いんじゃないのかって言ったんだが」


「それはテメェなんじゃないのか?赤井秀一」


「・・・・何だと」


「あっあのさ!早く職員室に行こうよ!ね?」



また喧嘩になりかねないと察知したコナンは仲裁に入り止めさせた。



そして再び歩き、三人はようやく職員室についた。


職員室には鍵がかかっているため見回り担当の赤井に開けてもらうのだが、



「ん?」


「どうしたの?赤井先生」


「・・・鍵が・・開いてる・・?」


「え?」


「おいっまさかお前、鍵開けっぱなしで見回っていたのか?」


「そんなわけがない。俺はちゃんと鍵をかけたぞ」



ドアを引き、中を見ると特に変わったところはない・・・と思われたその時、



「あっ、あれ!窓に穴が空いてるよ!!」


「っ!」


「何っ!?」



窓の方に目を向けると1枚の窓に一ヶ所だけ手が抜けれるぐらいの丸い穴が空いてあった。



「ちっ、なるほど。窓を割ったら誰かに気付かれるから丸い穴を切り取って鍵を下に下ろし中に侵入したんだな」


「となるとこの手口からしてイタズラじゃなく・・・」


「泥棒」


「だな・・・


Σ!!」



突然何かを思い出したジンは特別室の鍵があるロッカーの扉を開け、中を見る。


すると目を見開き、少し固まってしまった。



「おい、どうした?」


「・・・・・・ない」


「何?」


「特別室の鍵が、全部なくなってやがる」



中を見るとそれぞれの特別室の鍵がごっそりとなくなっていた。




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