旧·過去拍手文

《ベルトコンベアには気を付けろ》



コナン、蘭、平次、和葉は真選組屯所へやって来た。

理由は平次が沖田から稽古に誘われたから。

だが門前に隊士がいない。

何か大きな捕り物があって出払ってるのかとも思ったがそれでも1人2人はいるはずと考え直す。

門前から声をかけるが返事がない。

気になったコナン達は屯所内に入ってみる事に。


「近藤さーん、土方さーん」

「おーいこっちでさぁ」

「あ、総悟君」


コナンが呼び掛けていると道場から沖田が顔を出した。


「なんやもう稽古始め…なんやコレ?」


道場に近付けば床に布団を強いて横になってる隊士達がいた。

その数はざっと見二十人近くで、全員魘されてる。


「ちょ、どないしたんや?」

「まさか皆さん、大怪我でも…!?」

「違いまさぁ、ちょっと幽霊に襲われまして」

「ゆ、幽霊…!?」

「幽霊なわけねーだろ」


和葉と蘭の疑問に沖田が答えるが、予想外の答えに二人共怯えだす。

だが土方がバッサリと否定を示した。

話を聞くためコナン達は客間へと通された。

どうやら昨夜のうちに隊士達が赤い着物を着た女の幽霊に襲われたらしい。

何故幽霊だと言ったのか。それは昨夜屯所内で怪談が開かれ、その話の中に赤い着物の女の幽霊の話があり、隊士達はその女を幽霊だと思い込んでるとか。

ちなみにその怪談のオチは土方に邪魔されて聞けずじまいだとか。


「アホくさ。幽霊なんておるわけないやろ」

「霊を甘く見たらとんでもない事になるぞ、服部君。この屋敷は呪われてるんだ。
きっととんでもない霊にとり憑かれてるんだよ」

「…なにをバカな…いや…ナイナイ」


土方の様子に気付いたコナンだが、山崎が怪しげな格好をした三人組を連れてきた事で気が反れた。


「局長!連れて来ました」

「オウ山崎ご苦労」

「街で探してきました拝み屋です」

「どうも」

「何だコイツらは…サーカスでもやるのか?」

「いや、霊をはらってもらおうと思ってな」

「オイオイ、冗談だろ。こんなうさん臭い連中…」

「どーせパチ者か何かとちゃうか?」


三人組をうさん臭い目で見る土方と平次。コナンも口に出してないが二人に同意である。

すると真ん中にいた顔に包帯を巻いた男が土方と平次に声をかける。


「あらっお兄さん方背中に…」

「なんだよ…背中になんだよ」

「ゴニョゴニョ」

「ププッありゃもうダメだな」

「なにコイツら斬ってイイ?斬ってイイ!?💢」

「腹が立つんはわかるが殺しはあかんて…💢」


男と中国の服を着た少女の態度に二人共青筋を浮かべる。


その後、その拝み屋が銀時達万事屋だとわかり、木に逆さ吊りにされた。

数分後、解放された三人は横たわっていた。


「本来ならてめーら、みんな叩き斬ってやるとこだが
生憎てめーらみてーのに関わってる程今ァ俺達も暇じゃねーんだ、消えろや」

「あー幽霊恐くて、もう何も手につかねーってか (笑)」

「かわいそーアルな、トイレ一緒についてってあげようか? (笑)」

「(あんな目に遭ったって言うのによく調子こけるなこの二人…ι)」

「武士を愚弄するかァァ!!」


銀時と神楽のからかいに近藤が否定。

コナン達が「まぁそうだよな」と思っていたが、それはすぐに打ち砕かれた。


「トイレの前までお願いしますチャイナさん」

「「お願いすんのかいィィ!」」


まさか本当にお願いした近藤に土方も平次もツッコミを入れる。


「いやさっきから我慢してたんだ、でも恐くてなァ」

「ホラ行くヨ」

「オイぃ、アンタそれでいいのか!?アンタの人生それでいいのか!?オイ!!」


尊敬する局長が他人、それも十以上も歳が離れてる少女にトイレに付き添ってもらう光景に土方は思い止めてもらおうとするが行ってしまった。


「アレホンマに真選組(ココ)の長か?」

「それ以前に本当に大人か?」

「…てめーら頼むからこの事は他言しねーでくれ、頭下げっから」


平次とコナンの呆れに土方は弁解せず他言無用でお願いした。


「…なんか相当大変みたいですね。大丈夫なんですか?」

「情けねーよ。まさか幽霊騒ぎ如きで隊がここまで乱れちまうたァ。
相手に実体があるなら、刀で何とでもするが
無しときちゃあこっちもどう出ればいいのか皆目見当もつかねェ」

「え?何?おたく幽霊なんて信じてるの。
痛い痛い痛い痛い痛いよ~お母さ~ん、ここに頭怪我した人がいるよ~!」

「お前いつか殺してやるからな💢」

「…ねぇ。土方さんがそんなことを言うってことは…土方さんも見たの?その赤い着物の女を…」

「そうなんですかい?土方さん」

「わからねェ…だが、妙なモンの気配は感じた。
ありゃ、多分人間じゃねェ」


土方の話に蘭も和葉も恐がりだす。

すると


「痛い痛い痛い痛い痛いよ~お父さーん!」

「絆創膏もってきてェェ!!できるだけ大きな人一人包みこめるくらいの!」

「おめーら打ち合わせでもしたのか!!」

「(この二人、何気に気が合うんじゃね?)」


銀時と沖田のからかいにコナンが呆れていると、新八が語りだした。


「赤い着物の女か…そんな怪談ありましたね」

「「「「!」」」」

「新八兄ちゃん、赤い着物の女の怪談知ってるの?」

「僕が通ってた寺子屋でね
一時そんな怪談が流行ったんですよ」

「それってどんな話なんや?」

「えーとなんだっけな…
夕暮れ刻にね授業終わった生徒が寺子屋で遊んでるとね
もう誰もいないはずの校舎に…


赤い着物きた女がいるんだって

それで何してんだって聞くとね…「ぎゃあああああああああああああ!!」

「「Σきゃあああああああ!!!」」

「「「「Σ!」」」」


新八の話の最中に聞こえた野太い悲鳴。

その悲鳴に蘭と和葉が悲鳴を上げ、男性陣は悲鳴が聞こえたトイレに駆け出す。


「ゴリラーどうしたか~チャックに皮はさめたか!?」

「神楽どーした!?」

「チャックに皮がはさまったアル」

「そりゃー痛くて悲鳴上げるが、今のはそんな悲鳴ちゃうやろ!」

「どけ!!」


神楽が閉まってるドアを叩くが、中に入ってる筈の近藤の返事がない。

土方がドアを蹴破り、そこには・・・




便器に頭を突っ込んだ近藤がいた。


「なんでそーなるの?」




続く
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