旧·過去拍手文

※前回のあらすじ
神楽と銀時がパラレルワールドに行った。





「神楽!無事か!?」

「銀ちゃん見てヨ!面白いものがいっぱいあるアル!」


窓に手を付けキラキラと目を輝かせて振り返る神楽は銀時にも見るよう促す。

引き出しから出た銀時は窓の外を見る。


「何だよ確かに俺達の世界とは少し違うが対して変わんねーじゃねーのか?」

「そんな事ないヨ。空に宇宙船がないアル」

「あ、ホントだ」

「ちょ、ちょっと!!アナタ達、いったい何なんですか!?」


銀時と神楽が景色を眺めていると女性の叫びにそちらに振り向く。

倒れているチョビ髭の男性を介抱するように銀時達を睨む黒髪ロングの女性と眼鏡をかけた小さい男の子と目が合う。


「おいおいどうしたそのオッサン、昼間っから酔い潰れてんのか?」

「そこの女の子が引き出しから飛び出てきた時にお父さんの顎に蹴りが入って気絶したのよ!!」

「マジですか?おい神楽、謝れ」

「ゴメンアル」

「ねぇ、おじさん達何者なの?なんで引き出しから出てきたの?」


男の子が銀時達を疑うような目で質問してきた。

すると銀時が目線を合わせるようにしゃがみこみ、男の子に鋭い目を向ける。


「おいボウズ、今から言う事に肝に命じろ・・・



おじさんじゃなくお兄さんだっ!!


「加齢臭漂わせてるクセに何子供にウソついてるアルか」

「漂わせていませんーー。まだまだ二十代だから加齢臭なんてしませんーーー」

「イヤイヤ、最近銀ちゃんからクサイニオイがするネ。もうオッサンまっしぐらアル」

「おいウソだろ?冗談で言ってるんだよな?そんな臭いしねーもん!おいボウズちょっと嗅いでみろ!臭わねーだろ!!」

「Σこっちに来るn」


自分の体臭を嗅いだ銀時が男の子に自分の腕を突きつけ嗅がせようとする。

当然嗅ぎたくない男の子が逃げようとする。が、横から何かが飛んできた。

ソレは銀時の顔にめり込み、銀時は後ろに吹き飛んだ。

男の子の隣に女性が立っており、膝を前に出していた。

どうやら女性の膝蹴りが銀時に入り、男の子を守ったようだ。


「こちらの質問に答えて。アナタ達は何者で、どうやって引き出しの中から出てきたのかを」

「・・・あの、答えますんで・・・何か冷えるものをください・・・」

「銀さん!神楽ちゃん!大丈・・・夫じゃなかったーー!!銀さん!?いったい何があったんですか!?」

「銀ちゃんがいたいけな男の子にセクハラしようとして返り討ちにあったネ」


引き出しから新八が顔を出し、銀時の惨状に驚いた。

しかし神楽の説明にすぐに冷めた目を向ける。


「何やってんですかアンタ?」

「だって、神楽が俺から加齢臭するって・・・」

「はいはい。そんなの前からですよ」

「んだと新八ーー!!! (怒)」

「すみませんでした、うちの上司が」

「あっ、いえ・・・」

「ねぇ、おじさんの引き出しに何かしたの?」

「あ、ごめんね。説明しますので僕もこっちに来てもいいですか?そろそろ体勢がキツくなってきたので・・・」

「は、はい・・・」

「イッテェ~~~・・・」

「あっ、おじさんが起きた」


こうして新八もこちらにやって来て、チョビ髭の男性も目を覚まし、一同ソファに腰かける。


「えーっと、まずは自己紹介した方がいいですよね。僕は志村新八と言います」

「神楽アル!好きな食べ物は卵かけご飯と酢コンブね!」

「坂田銀時でーす。万事屋をやってまーす」

「万事屋って、何でも屋ってことなのおじさん」

「だーから!おじさんじゃなくてお兄さんだって言ってんだろ小さい眼鏡かけ機!」

「眼鏡かけ機って何!?」

「眼鏡かけ機も知らねーのか?いいか、眼鏡かけ機ってーのは眼鏡が本体で人間が土台の事だ」

「それ悪口だよね」

「それで?なんでお父さんの引き出しからアナタ達が出てきたんですか?」

「それは・・・信じてもらえないかもしれませんが、実は僕達の世界とこちらの世界と繋がって・・・」


銀時達は自分達は別の世界の人間である事、自分達の世界の事、知り合いの説明品の実験でこちらの世界と行き来出来た事等々説明する。


「・・・それ本当?とても信じられないんだけど」

「おいおい何この子?そんな小さいうちから疑ってばっかじゃ将来人間不振になるんじゃねーの?」

「ならないよ」

「おいちょっと待て!じゃあ引き出しの中に入れてた俺の私物は!?沖野ヨーコの写真集は!?」

「あ・・・えーと・・・さあ?」

「さあ?じゃねーよ!!どうしてくれんだよ!?」

「おいおいオッサン、いい年して写真集の一つや二つ消えたぐらいで・・・・・Σああーーーー!!!俺の結野アナフィギュアーーー!!!」

「どっちもどうでもいいアル」

「「よくねーー!!」」

「お父さんちょっと黙って」

「んな事より、俺達は名乗ったのにそっちは名前教えてくんねーの?」

「あっ、そうですね。私は毛利蘭と言います。こちらが父で探偵をしてる毛利小五郎。この子はうちで預かってる江戸川コナン君です」

「ゥオッホン!私が、名探偵毛利小五郎である!!」

「・・・銀ちゃん、このオッサンから銀ちゃんと同じニオイがするね」

「そりゃあそうだろう。このオッサンの方が加齢臭キツいに決まってるだろ」

「違うアル、マダオのニオイネ」

「・・何だ?その、マダオって・・?」

「‘まるでダメなオッサン’の略アル」

「誰がダメなオッサンだ!!?」

「お父さん落ち着いて!!」


怒鳴る小五郎に蘭が抑える。その隣でコナンが顔をそらして苦笑いしてるのを銀時は見逃さなかった。

その表情はあながち間違ってないと物語ってる。

するとシビレを切らした神楽が話を切り出した。


「銀ちゃん、私そろそろ町の方に探検にしに行きたいアル!」

「おいおいちょっと待て!!お前ら散策するつもりか!?」

「だってせっかくパリピーワールドに来たのに探検しないなんてもったいないアル」

「ぱりぴー・・?」

「パラレルワールドね。久しぶりにツッコんだよ」

「あのさぁ、本当におじさん達がボク達とは違う世界から来たって言うならさ、おじさん達の世界に連れてってよ。小五郎のおじさんの机の引き出しから行けるんでしょ?」

「ちょっとコナン君!何言ってるの?」

「そうだぞー。何度言ったらわかるんだ、おじさんじゃなくて銀時お兄さんだ!!」

「どうでもいいですよそんな事はっ!えーっと、コナン君だっけ?君はそんなに僕達の事が信じられない?」

「だってそんな非科学的なことありえないんだもん」

「しゃーねーな。じゃあ俺達の世界に来てみるかコンニャ君」

「コナンだよ」

「ちょっと、話を進めないでください!」

「んだよ、心配ならアンタらも来ればいいじゃねーか」

「俺達も行けるのか?」

「当たり前だろ、俺達がこっちに来れたんだからアンタらも行けると思うぜ」

「・・・どうする?」

「どうするって言われても・・・」

「行ってみようよ蘭姉ちゃん。そうすればこの人達が本当にパラレルワールドから来た人達かどうかわかるよ」

「うーん・・・」

「もう待てないアル!銀ちゃん私ちょっくら探検しに行ってくるネ!!」

「へ?おいちょっと待て神楽!!」


ドゴーン


銀時の制止も虚しく神楽は扉を勢いよく、勢いよく開けて出て行ってしまった。

扉は半壊状態。神楽の怪力にコナン達は口を開けて唖然。


「待てって言ってんだろ神楽ーーーーーー!!!!」

「神楽ちゃんお願いだから物壊さないでーーー!!!!」

「おい待て!!!なんだあの女の子は!!?」


銀時と新八の叫びに我に返った小五郎達は神楽に対する疑問を浮かべながら銀時と新八に続き神楽を追いかけた。




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