旧·過去拍手文



「しんのすけ!」


「おお、マルコおじさん」


「怪我はしてないか?」


「うんっ。オラへいき」


「まったく。無茶しやがって」


「いやーそれほどでもー」


「褒めてないよい」


「スゲーなお前!

・・けどな、男の勲章を頭突きするのはやめときな・・・」


「さて、コイツ等をどうするか」


「海に放り出すか?」


「けど腹いせにこの村を今以上にメチャクチャにする可能性もあるよい」


「うーん・・・」


「あ!だったらじいちゃんにそうりょうしてみたら?」


「は?・・・相談してみたらって言いたいのか?」


「そうそう」


「そしたらこの村、いや、この島を縄張りにすると言い出しかねないよい」


「縄跳びするの?」


「縄張り。“ナワ”しか合ってねぇよ」


「縄張りっつーのは、簡単に言やぁ俺のもんだから手を出すなって事かな?」


「ふーん。
サランちゃん、じいちゃんになはばりにしてもらうようお願いしてみる?」


「「縄張りだ」」


「うん!それなら村の人達も大助かりだよ!!」


「じゃあ早速オヤジに聞いて」


「その必要はねぇぞ」


「「「「!」」」」



振り向けば、白ひげの姿がそこにあった。


側にはビスタを筆頭に数人のクルー達が付いていた。



「話は大体わかった。

おいお前」


「!」



しんのすけにやられた船長の肩が大袈裟に上がり、恐る恐る顔を上げる。


その顔は真っ青だった。



「この島は今から俺の縄張りにする。

もし、俺の島で好き勝手したらどうなるか、

オメェ、わかるよな?」


「ヒィ!!は、はい!!!すみませんすみません!!!
もう2度とこの島には立ち寄りませんし何もしません!!!」


「だったら今すぐクルー達を引き連れて出ていけ!」


「はいぃぃ!!!」



白ひげの睨みに恐怖を覚えた船長は、クルー達を叩き起こしたり担いだりして脱兎の如く村から、いや、島から出てってしまった。


こうして島全体に平和が戻った。


その日は夜遅くまで村人達は宴をした。


海賊を追い払ってくれたしんのすけ達を歓迎しご馳走を振る舞う。



そんな中、白ひげが席を立った。



「あれ?オヤジどこに?」


「ん・・、船に戻る。
お前達はもう少しいていいぞ」


「俺も行くよい」


「グラララ。気ぃ使うな。

ついでにしんのすけも連れて行く」



時間が時間な為、ほとんどの子供達は眠りについている。


その中にしんのすけの姿もあった。


白ひげはしんのすけをヒョイと掴むと村を後にした。




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