旧·過去拍手文
「∑うおおお!!?おま、何触ってんだ!?
危ねーだろ!!」
「え?あぶないものだから向けたんじゃないの?」
「え?いや、まぁそうだが・・・・・あれ?何で今引っ込めたんだ?俺」
「オイ!何遊んでんだ!?さっさと捕まえろよ!」
「うるせーな!だったらお前も手伝えよ!!」
「ああ?お前がノロマだから悪いんだろーが!!」
ギャーギャーと喧嘩を始めた男達。
その隙にしんのすけと女の子は気付かれないように逃げた。
だいぶ走った所で2人は止まる。
「ふぅー。やれやれ」
「あ、あの・・・ありがとう」
「え?何が?」
「・・・何でもない」
助けてくれたお礼を述べても気付いてないしんのすけに、女の子が呆れてしまう。
「オラ、野原しんのすけ。きみは?」
「わたし?わたしはサラン」
「ほうほう。
サランちゃんはあのおじさん達とおにごっこしてたの?」
「ちがう!あいつら、わたしのペンダントを奪おうとして、それで逃げてたの!
このペンダントは、死んだお母さんの形見だから・・・。
だからあいつらなんかに渡したくないの!!」
「ほぅ・・・」
「・・・いぜんは平和な島だったんだよ。
なのにあいつら、ヘイレーン海賊が来てから私達の生活が一変した。
こんな小さな島だから海軍は気付いてくれないし、誰も助けに来てくれない。
私たち、一生あいつらにおびえながら生きていかなくちゃいけないのかな・・・」
涙をぽたぽたと落とすサラン。
「だったらじいちゃんにたのんでみよう!」
「・・じいちゃん?」
「今オラがおせわしてるじいちゃんで、こーんなに大きいんだ。
けっこうな力もちだし、サランちゃんの力になってくれるはず」
「ほんとう!?」
「うんっ」
しんのすけの言葉にサランの瞳に希望が宿った。
「そうと決まれば、お舟に戻りますか。
えーとお舟は・・・・・あれ?どっちに行けばいいんだ?」
「海に出たいんならこっち。
この森はわたしが小さいころから探検していて、今じゃわたしの庭みたいなもの」
「えーー!この森、サランちゃんの庭だったの!?
じゃあおうちデカイ?」
「あのねぇ、例えだから」
サランの道案内でスムーズに小船を停めてる海岸が見えてきた。
すると男性の声が2人の耳に聞こえた。
その声はしんのすけにとって聞き覚えのある声だった。
「おーーい!!しんのすけーー!!
どこだーー!!」
「いたら返事しろーーー!!」
「エース、サッチ。もう少し声を落とせ。
マルコに気付かれたら後々が面倒だぞ」
「けどよ、こうしてる間にしんのすけの身に何かあったら大変じゃねーか」
エース、サッチ、ビスタの姿を捉え、サランは驚き、しんのすけは呑気に不思議に思う。
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