旧·過去拍手文



その様子を見ていたら女の子がしんのすけに気付き、こちらに向かってきた。



「たすけて!」


「・・?」


「おいおい嬢ちゃん、逃げるこた~ね~だろ?」


「そうだぜ。その首にぶら下げてるペンダントをくれと言っただけじゃねーか」



男2人は下卑た笑みを浮かべてしんのすけと女の子を見下ろす。


女の子はしんのすけの後ろに体を隠し、顔だけを出すと男2人に向かって拒否した。



「やだっ!!このペンダントはお母さんがくれたものだもん!!

絶対にあんたたちなんかに渡さない!!!」


「わからねーガキだな。俺達が寄越せと言ったら寄越せ!」



男の1人が手を伸ばし、女の子に掴み掛かろうとする。


女の子はしんのすけを盾にうまくその手を躱す。



「チクショ、ちょこまかと!
おいじゃがいも頭!そこをどけっ!」


「え、じゃがいも?どこどこ?」


「オメーだよ!」



男の1人がしんのすけに叫ぶが、自分の事だと気付かないしんのすけにツッコム。



「おねがい、たすけて!」


「え~。たすけてって言われてもどうやって?」


「わたしの手を引っ張ってにげるとか!」


「じゃあそうすればいいじゃん」


「こういうのは男がリードするのよ!」


「ほうほう、なるほど~・・・りーどってなに?」


「しらないの!?」


「オイ!いつまで喋ってんだ!?」


「お。ぽっくり忘れてた」


「ぽっくり?・・・もしかして“すっかり”のこと?」


「そうとも言う~」


「テメーこのじゃがいも頭・・!!すっかりだかぽっくりだがどっちでも良いが俺達を忘れるとはイイ度胸してんな!!」


「まさか俺達を知らねーってこたぁねぇよな?」


「しらない」



ガクッ



しんのすけの潔い返答に2人は思わずずっこけた。



「知らねーって事はねーだろ!!

今現在お前達の村を住み処にして好き放題にさせてもらってるヘイレーン海賊団の者だ!!」


「どうだ?ビビったか?」


「へい・・・へ・・・?

オナラの海賊?」


「「オナラじゃねー!!ヘイレーン海賊団だ!!!」」


「ほうほう。それで?そのオナラの海賊団のおじさん達は・・」


「オナラじゃねーって言ってんのがわかんねーのかクソガキ!!」



男の1人がサーベルを抜きしんのすけに切っ先を向ける。



「きゃあ」


「ほうほう。これはまたみごとな剣ですな~」



女の子が怯えるのに対ししんのすけはサーベルを指先でちょんちょんと触ってる。


しんのすけの行動に逆に男が驚きサーベルを引っ込める。




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