旧·過去拍手文
「島が見えたぞーー!!」
見張りのクルーがそう叫べば、船内にいたクルー達が続々と甲板に集まる。
マルコは上陸後どの隊が何をするのか指示を出す。
全ての指示を出し終えると隣にいたしんのすけが声をかける。
「ねーねーマルコおじさん。オラは?」
「しんのすけは船で留守番だよい」
「え~?オラも島におりたい。お舟の上ばっかであきた」
「あの島には何があるかわからないんだ。
安全が確認出来たらお前も連れて行くよい」
「今いきたい」
「ダメよい」
「ぶーー。マルコおじさんのケチ」
「ケチで結構だよい」
「しんのすけ、少しの我慢だ。
それまで俺と遊ぶか?」
「オラ、ナースのお姉さんたちと遊びたい」
「ハハハ・・・お前はいつも正直だな・・ι」
「とりあえず、お前は他のクルー達と留守番だよい」
不満な顔をするしんのすけを無視して、マルコは上陸するクルー達を引き連れて準備をする。
しんのすけはその場から離れどこかに行った。
島から離れた場所に錨を下ろし、マルコ達は小船で島に向かった。
その頃モビーディック号に待機中のエースはしんのすけにご飯を知らせようと探していた。
「おーい、しんのすけー!
どこ行ったんだ?アイツ・・。
お、ビスコ、しんのすけ見なかったか?」
「いや。いないのか?」
「さっきからあちこち探してるんだが見つからねぇんだ」
「・・・・おいまさかアイツ・・・」
「え?」
島に着いたマルコ達は小船を適当な所に付け、島の中に入っていく。
ある一隻の小船に袋が積まれており、その袋が勝手に動いた。
「ぷはーっ」
袋の口から頭を出し、息を吐き出したのは留守番してたはずのしんのすけ。
うまく小船に潜り込んだそうだ。
「まったく。マルコおじさんは子ども心をわかってないゾ」
小船から降りて島に上陸し、辺りを見渡す。
前方に森が見える事以外特に珍しいものは無かった。
とりあえず行ってみようと森の中に入っていく。
あちこち木々が茂っていて、たまに鳥の鳴き声がする。
冒険心と好奇心で見渡しながら進んで行くしんのすけ。
しかし1人でいる事に少なからず怖かったりもする。
突然鳥が飛び出した時大袈裟に驚く。
「∑オオーっ!!
・・・マルコおじさんたち、どこいっちゃったんだろ・・・」
「きゃーー!」
「ん?」
突如悲鳴が聞こえ、しんのすけは聞こえた方に進んで行く。
目に入ったのは自分と同じ年頃の女の子が大人の男性2人に追いかけられていた。
.