旧·過去拍手文
「フンフンフーン」
「おいしんのすけ!そんなとこ歩いてると落っこちまうぞ」
手摺のところを歩くしんのすけに、同じ方向からエースが注意かけてきた。
しかししんのすけとエースとの距離が少しあり、しんのすけには少々聞こえずらかった。
「え?なんて・・・ぅおっとっとっと・・・」
「Σあああああ!!?」
「っとっとっと」
「はぁ~~~」
一瞬しんのすけが海の方に落ちかけ、一瞬エースの顔が真っ青になった。
だが何とかまた手摺に足を付け安心した。
この海には常人が仕留めることが出来ない海王類がウジャウジャいる。
そんなところに子供が落ちたら間違いなく丸飲みにされる。
エースは能力者な為カナヅチ、助け出すことが出来ない。
本当に落っこちなくて良かったと、エースがしんのすけの方に歩み寄ろうとした。
その時、突風が吹いてきた。
しかもかなり強い。
「お?」
声が聞こえ何とか眼を開けようとすると、しんのすけが宙を浮いて落ちていくのが見えた。
海の方に。
「Σっ!!しんのすけーーーー!!!!」
ぽちゃんと軽い音と同時にエースの叫び声が響き、他のクルーたちがなんだなんだと集まってきた。
「おいエース、何事だよい?」
「大変だ!!しんのすけが海に落ちた!!!」
「Σっ!?何だと!!?」
「待ってろしんのすけ!今助けに・・・」
「バカヤロエース!!お前能力者だろい!!お前まで溺れたらどうすんだよい!!?」
「Σそういうマルコも海に飛び込もうとしてんじゃねぇか!!」
海に飛び込もうとするエースを引き下がらせ、ちゃっかり自分も能力者だということを忘れ海に飛び込もうとするマルコをサッチがツッコンで引き止めた。
「あーもー待ってろ!!ここは俺に任せろ!!」
二人をジョズに任せ、勇ましく手摺に足をかけカッコ良くセリフを吐くサッチ。
「とおっ!」
勢い良く飛び降り頭からダイブしていく。
「ん?」
すると海面からブクブクと泡が出てきた。
そして何かが海から出てきた。
そしてその何かはサッチの横を通って船に上がった。
その何かにしんのすけも一緒にいた。
「ΣΣうそだろぉおおおおおーーーー!!!!!!!!?」
ザパーン!
サッチが海に降りたのと同時にその何かが甲板に降り立った。
その何かとは、
「ジンベエ!」
王下七武海の一人、ジンベエだった。
「ジンベエ。お前どうして・・・」
「なに、ちょっとオヤジさんに用事があって来たんじゃが、突然このボウズが落ちてきてな。
お前さんたちの知り合いか?」
「ああ、ちょっと訳あって一緒に乗せてんだよい」
ジンベエに抱えられたしんのすけは気を失っていたが、呻き声を上げて意識を取り戻した。
「うぅ、う~~~ん・・・」
「おいしんのすけ、大丈夫かよい?」
「ん?・・・・・・・パイナップル?・・・おお!!そのパイナップルな髪型はマルコおじさん!!」
「・・・・・どうやら意識を取り戻したようだな・・・・・」
ヒクヒクと怒りを露にしそうなマルコに他のクルーたちはヒヤヒヤしたり笑いを堪えたりしていた。
ちなみにエースは「ぶふっ!」と思いっきり吹き出し、ジンベエは唖然としんのすけを凝視した。
続く☆