旧·過去拍手文
「うーみーはーひろいーなーおおきーなー」
海の方に足を投げ出して船の手すりに座り歌を歌うしんのすけ。
近くにはマルコがいた。
「ねーねーマルコおじさーん」
「・・・なんだよい」
自分の呼び名にマルコはつっこむのをやめた。
自分はおじさんって歳ではない(筈な)のに子供から見たらそう見えるなら仕方ないと思ったからだ。
「(まぁパイナップルって呼ばれなくなっただけましか)」
「マルコおじさんはなんで海賊になったの?」
見上げてくるしんのすけの質問にマルコは顎に手を当て、少し考え込む。
「あー・・・そうだなー・・・
オヤジを見てたらあんな海賊になりたいと思ったから、かな」
遥か彼方の海の方に眼を向けながら、マルコは照れ臭そうに答えた。
しかししんのすけは偶然通りかかったナースに笑って手を振っていた。
「ってΣ、聞けよいっっ##66##!!!!」
そんなしんのすけにマルコは容赦なくつっこんだ。
「いや~~、きれいなお姉さんが眼に焼くとついそっちいっちゃって~~」
「それを言うなら、「眼に入る」と、だろ」
「そうとも言う~」
はぁー、と小さな溜め息を吐くマルコ。
「ところでさーマルコおじさん、“海賊”って何するの?」
「えっ?えーと、まあ普通の海賊は、町を荒らしたり、商船とか襲ったり、海賊同士戦ったりしてるかな。
でも、俺たちオヤジはそんな野蛮なことはしないよい。
オヤジは貧しい町を縄張りにして可哀想な人たちを救ったり、戦うことはあるけど降伏させて“仲間”にしたりしてるよい」
手すりに肘を付いて顎に手を当て、船長である白ひげの行動に尊敬の意味を込めてしんのすけに伝えた。
「うーんと・・・つまりいろんな海賊がいるってことですな」
「まぁそういうことになるよい」
それから暫く沈黙が流れた。
すると突然しんのすけがどこか気落ちしたような声で話し掛けた。
「マルコおじさん、オラ、・・・」
「・・・どうしたよい?」
『ちゃんとお家に帰れるかな?』と聞かれるじゃないかと心待構えた。
「オラ・・・
おなか空いた」
ガクッ
全く検討外れな言葉にマルコは頭を前にずっこけた。
「あ、あぁ、そうかよい。
んじゃ、メシにするか?」
「ここ、ご飯あるの?」
「あるよい」
「きれいなお姉さんが作ってるの?」
「残念。作ってるのは野郎だよい」
「え~~~!!」
思いっきり嫌そうな顔をするしんのすけ。
「安心しろよい。ちゃんと食えたものだからな」
手すりからしんのすけを甲板に下ろし、二人は食堂へと向かった。
終わり
後書き
マルコとしんのすけのお話、好きだなー自分。
あんまりおじさんって呼ばれたくないマルコ。てか気にしちゃってるって感じですね。(お前が書いたんだろ。)
マルコは自分の町を襲った海賊を偶然通りかかった白ひげさんに助けてもらい、憧れて白ひげ海賊団に入ったらいいなー。(願望!?)
そして、オヤジさんは(多分)こんな行動をしてると思います。
とにかくオヤジさんは心が優しいお人だと、管理人は思っています。
では。