旧·過去拍手文
白ひげの特等席に眠るしんのすけの周りには海賊たちがゾロゾロと集まっていた。
「なんなんだよい、このガキ?」
「さっきの島から潜り込んだのかな?」
「どうするよオヤジ」
「誰か起こしてやれ」
「・・・はぁぁ~~・・・しゃあないよい」
そしてその役は大抵白ひげ海賊団一番隊隊長、マルコと決まってきた。
マルコは頭をかきながらしんのすけの傍に寄り、肩に手を置き揺する。
「おいお前、起きろよい。おい」
「・・・ん、んんー~~・・・」
眉間に皺を寄せ唸るしんのすけ。
すっと眼を開け、マルコを見つめるしんのすけ。
そしてマルコもじっとしんのすけを見る。
暫く寝ぼけた眼で見ていたが、やがて・・・
「Σおおっ!!?
ピーマンがパイナップルになってるーーーっ!!!!」
「Σ誰がパイナップルだよいっっ!!!!!?」
しんのすけの寝惚けにマルコはつっこんだ。
「・・・あれ?人間?」
「当たり前だよい」
「いやーーピーマンの大群の夢見てたからてっきりオジサンも食べ物に見えて・・・」
「おじ・・・」
頭をかいて笑うしんのすけの言葉に顔を引き吊らせるマルコ。
そして自分の家ではないとようやく気付いた。
「あれ?ここどこ?何でオラ外で寝てるの??」
「やっと気付いたか。
てかなんでお前がここにいるのか分からないのかよい?」
「オラ知らないぞ!オラ居間で寝ていて起きたらここにいたぞ!
・・あれ?てことはこれも夢?」
「・・・夢だと思うなら自分の頬を引っ張ってみろよい」
マルコの助言にしんのすけは自分の頬を引っ張ってみる。
そして、
「イテテテテッ!!!
・・・痛いぞ・・・!」
「てことはこれは夢ではなく、現実だよい」
「ええーーーー・・・」
「・・・おいマルコ」
そして気付いた。
マルコの他にも人がいたことに。
「・・・オジサン、この人たち誰?」
特に怯えた様子もなくしんのすけは呑気に訊いた。
そして、
「ここは“モビーディック号”。
ここは白ひげ海賊団の海賊船だよい」
続く☆