旧·過去拍手文



あれから数分が経ち、何度目かの曲がり角を曲がろうとしたところで二人は足を止めた。


二人の視線の先には子供が立っていた。


その子供はじっと二人を見てにこにこ笑っていた。



「・・・なんで子供がここに・・?」


「おい、お前なんで学校にいる」



ジンがその子供に近づこうと足を進めると、その子供は二人とは反対の方向に向き走り出した。



「あっ、こら待てっ!」


「おっおいジン!」



二人も再び走り出しその子供を追いかけた。








美術室から離れたある教室にて、その人物はいた。



「ハア・・・ハア・・・

ったく、まさかこんなに早く先公に気付かれるとは・・・」


「ン゙ーー!!!ン゙ーーーー!!!」



1人は教室の扉に凭れ廊下を見る少しガタイがよく金髪に染めた青年。


そしてもう1人はその青年の手によって口を塞がれながら何かを叫ぼうと抵抗するコナン。



あの美術準備室でドアの内側にいたこの青年によってコナンの口は塞がれ、どこかの教室へと連れてかれたのだ。



「まったく、学校の備品を盗りに来ただけだってのに、
・・・しかしバカだよな?さっさと帰せば良かったものの連れてくるなんてな・・・

そうすればこんな目にも合わなかったのにな・・・」



突然厭らしい笑みを浮かべるとその青年はコナンを押し倒した。



「っ!!イタッ」



背中に受けた衝撃に眉をよせ青年を睨み付ける。


しかし全く効果がない。


逆に・・・



「煽ってるようにしか見えないぜ・・・!!」



青年は顔をコナンの横に寄せ、コナンの耳を舐める。



「――――ッッ!!?」



突然の舌触りに気持ち悪さを覚え青年の髪を引っ張ったり足をバタバタさせ抵抗する。


しかし所詮子供の力。全く効果がない。


手首に装着してある腕時計型麻酔銃で相手の首に麻酔針を刺そうとするが、



「大人しくしてろ!!」



青年が片手でコナンの両手首を頭上へ持ち上げた。


手首の自由を奪われ、出来るだけ暴れてみせる。



「ヤメロっ!!離せッ!!はな・・・」


「うるさいっ!!」



――バチン



あまりにも暴れるコナンに青年はコナンの頬をひっぱたいた。


頬に来る痛みにコナンは暴れるのをやめてしまった。


暴れることをやめたコナンに青年は首筋に舌を這わせる。



「う、わ、・・や、・・・気持ち悪っ・・・」


「ホントは男に、ガキに興味ねぇんだけど、

お前はそそるなぁ」



青年の低くて嘲笑う声音にコナンの恐怖心が募った。



「い、いや、やだっ・・!だっ、だれ、か・・・!!」


「助けを呼んでも無駄だぜ。
この教室は特に見つかりにくいとこでな、あの二人の先公は絶対来ないぜ」



青年の言葉を聞いてもコナンは助けを求めることをやめなかった。



「(嫌だ・・・助けて・・・助けて・・・)

・・・・・せんせぃ・・・」



青年の手がコナンの服の中に潜り、胸の飾りに手にかけようとしたその時、



――バキッ!!!



「ぶっっΣΣΣ!!!!???」



青年の後ろのドアが突然外れ、青年にぶつかり、青年もろともドアは吹っ飛ばされた。



解放されたコナンはドアがあった方に目を向ける。


そこには怒りを隠さず青年を睨み付けて立っていたジンと赤井がいた。



「せ、せんせぃ・・・」



「江戸川大丈夫か!?」


「すまないボウヤ、お前を一人で帰したら犯人だけじゃなく夜道で変なやつ(変態)に襲われるんじゃないかと心配で・・・だから一緒に行動させていたんだが・・・」


「・・・江戸川、その頬どうした?」


「・・・ボウヤ、この手首どうした?」



ジンは赤く腫れてる頬をさし、赤井は赤く痕が残ってる手首をさした。



「あっ、これは・・・」



吹き飛ばされた青年の方にゆっくりと振り向くコナン。



――ブチッ



その瞬間、何かが切れた音が2つ、教室中に響いた。




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