奥義9 ハレルヤランド―前編―
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ハレクラニが出ていき、扉が閉まる音が部屋に響く。
が、華蓮はハレクラニに言われたことに考えていた。
『(…確かに……あたし、いっつもみんなに守られてばかりで何もしてあげてない。何もできない。
イグアナ村のことだって、結局あたし何もできなかった。今もこうやって捕えられちゃってボーボボ達に危険が…
もしかして、あたし………足手まとい)』
自分の不甲斐なさに嫌気がさし、何も出来ない事に苛立ち、悔しさに、涙が流れた。
暫く華蓮の嗚咽が止む事がなかった。
数十分後、ようやく泣き止んだ華蓮は自分の小刀を見つめる。
『(……あたしがいなくなれば……ボーボボ達は………)』
小刀に手を伸ばし、掴んだ途端扉が開いた。
ビクッと体を震わせ目を向けると再びハレクラニがやって来た。
「何をしてる?」
『…別に。何でもない』
小刀を自分の腰に差し、大人しくベッドに座る。
ハレクラニは華蓮を見ていたが、近寄り、手を取る。
『っ!?』
「ティータイムの時間だ。一緒にこい」
『何であたしが…他の人を誘えば良いんじゃ…』
「忘れたのか?キサマは人質だ。大人しく私の命令に従え。
どうせキサマごときでは、私には勝てないのだからな」
ギリッと歯を食い縛るがハレクラニの言ってる事は合っていた。
力任せに引っ張れば華蓮は大人しく立ち、ハレクラニに大人しく付いていく。
着いた場所は広い庭園が見渡せるフロア。
そこに真っ白いテーブルと2人分の椅子が用意されていた。
そこに華蓮を座らせハレクラニも座る。
すると毛狩り隊の隊員がクッキーと2人分のティーカップを運んできた。
音を立てずテーブルに置き、ティーカップに紅茶を注いで一礼して去っていく。
ハレクラニは紅茶を飲むが華蓮を紅茶を飲まず、クッキーも食べず下を向いてる。
「飲まないのか?」
『……敵が用意されたものを口に入れたくはありません』
「そうか」
それっきり2人とも無言でいたが、そこへ1人の隊員が慌ててハレクラニのところにやって来た。
「ハレクラニ様!ボーボボ共にクライム・ハイタワーまで壊されて、被害総額が10億を越えたとの報告が!!」
『Σっ!! ボーボボが!!』
出てきた名前に華蓮は顔を上げて喜ぶが、大人しくまた顔を下に向けた。
ハレクラニは静かにティーカップをソーサーに乗せる。
「10億分、ヤツらの体で稼ぐか」
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