奥義20 裏マルハーゲ帝国―前編―
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【……ぅ゙っ、ぐっ】
『(…何か、様子が…変?)』
【ぐっ、ぅ、うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!】
廉瓜から黒紫色の霧がブワッと噴出し、小刀を振り回して暴れ出した。
『きゃあ!何あれ!?』
「アレはあの時の!」
「まずい!廉瓜が暴走した!!」
【あ゙あ゙あ゙あ゙あああ!!!】
『危ない!』
「きゃあ!」
「「「「「ぎゃあああああ!!!」」」」」
大きく振り回して斬撃を飛ばした。
華蓮がビュティを押し倒して回避したが、オカキ達はもちろん柵をも斬りボーボボ達にまで被害に遭う。
【ぅ゙ぅ゙ぅ゙…】
『アレは一体…』
「前に廉瓜さんや3世から聞いたんだけど、廉瓜さんから出てるあの霧は“闇の力”で、廉瓜さんが暴走するのはその力に呑み込まれているんだって」
『“闇の力”!?なんであの人がそんな力を!?』
「くそ、闇の力だと!?何故人間がその力を…
(いや待て、そういえば昔………まさか…!!)」
【ぅがぁ゙あ゙あ゙ああ!!!】
暴れ振り回す廉瓜の叫びに、華蓮が何か気付いた。
『…苦しんでる』
「ぇ」
『あの人…苦しんでる…!
(闇の力に呑まれて、自分でもどうすればいいのかわからないんだ。だったら、今度は自分が彼を助ける番だ!)』
『Σ華蓮ちゃん!』
「よせ華蓮!今の廉瓜は危険だ!!」
ビュティやボーボボが近付くなと叫ぶが、それでも華蓮は走る。
飛んでくる斬撃を何とか躱して潜り抜け、正面から廉瓜を抱き締めた。
『…人には散々勝手な事言っといて、自分はそんな簡単に呑み込まれちゃうの?
あたしは今まで、アナタの存在すら知らなかった。アナタが何故、あたしの中にいたのか、アナタの事全く知らないけど、これからはアナタの事を知りたい。アナタも守れるように強くなる。
だから、闇の力に呑み込まれないで!元に戻って!廉瓜!!!』
一瞬廉瓜の動きが止まったかのように見えたが、小刀を握る手に力が入り、華蓮に目掛けて振り降ろそうとする。
華蓮が目をギュッと瞑る。
「廉瓜さん!!アナタは何の為に戦うの!?」
―ピタッ
ビュティの叫びに刃先が華蓮の背中すれすれで止まる。
ビュティにはわかっていた。廉瓜が何の為に戦うのか。何の為に小刀を振るうのか。
わかるから、胸が苦しくなる。
「…フン、何ヒロイン気取ってんのよ。アンタ達なんてヒドイ目にあってしまえーーー!!!」
蚊帳の外だった姫美ちゃんが先端を結んだロープを華蓮やビュティに向かって投げてきた。
だがそのロープは華蓮達に届く前に、廉瓜によって全て叩き落とされた。
_