奥義12.5 サイバー都市の夜
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目が覚めると天井が目に入った。
カーテンから覗く月明かりも手伝って、視界もだんだんハッキリしてきた。
華蓮は上体を起こし、ボーッとする。
隣を見れば同室のビュティと天井からロープに吊らされてる田楽マンが眠ってる。
視線を外し、片手で顔を半分覆う。
思い出すのは先程聞こえた青年の声。
それはいつも自分がピンチの時、意識が飛ぶ前に聞く声。
『(……何なの一体……誰なの?最後に何か言ってたみたいだけど……)』
最後に何かを言っていたみたいだが聞こえず、考える事をやめた。
ベッドから降り、2人を起こさないようにそっと窓辺に寄る。
夜空に浮かぶ月は真ん丸の満月。
昨日の戦いがまるで嘘のようだ。
ふと視線を満月から下に移すと、ヘッポコ丸がホテルの外に出ていくのを見掛けた。
『へっくん?』
華蓮は急いで着替え、部屋を出た。
***
「ハッ!!」
ヘッポコ丸は自分の技を何度も前に出し、その表情は疲れきってはいるが諦めない表情も取れる。
「ハァ…ハァ…」
『へっくん!』
「Σ! 華蓮!」
振り返れば息を切らした華蓮がいた。
華蓮はヘッポコ丸に歩み寄る。
『どうしたの?こんな夜中に1人で……特訓?』
「……まぁ…」
『何でこんな時間に?』
「………」
黙ってしまい、2人の間に沈黙が流れる。
聞こえるのは小さな風の音。
すると決心したかのようにヘッポコ丸がゆっくりと口を開いた。
「オレさ…今日…昨日とも言うのかな?ギガに拐われてオブジェにされて、みんなに助けてもらっただろ?またみんなのところに戻れた嬉しさとは反対に、今の俺ではダメだと…今回のようにいつまでもボーボボさんに守られてちゃダメだと…。
だから、みんなが休んでる間に少しでも差を縮めようとしていたんだ……」
話し終えると顔を俯く。
カッコ悪いと、そう思われてるじゃないかと思い、華蓮の表情を見るのが怖い。
『スゴいなぁ』
だが聞こえたのは称賛の声。
顔を上げれば本当に尊敬な眼差しを向ける華蓮の柔らかい微笑みが目に入った。
それは月の光も手伝って、思わず見とれてしまうようで綺麗だった。
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