改造計画番外編
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(大掃除編での出来事②)
クラス別の大掃除に勤しんでいた時の事です。
『あ、そうだ』
京都に行こう。ではなく。
大掃除をするのなら、一緒に綺麗にしておきたい場所を思い出しました。
え、どうして京都なのかって?
そんなフレーズありませんでしたっけか。
「あれー?由香ちゃん!そんな所で何しとるん?」
『…佐倉さん』
「由香ちゃんって、ウチの顔見ると時々変な顔するの何でなん?」
大半はトラブルも一緒に引き連れて来るからです。
とは、みなまで言わず。適当に笑って誤魔化しました。
場所は、花壇。季節は冬の上、お休みに入ると手入れが難しくなると思い至ったので。
そこで副担に相談しまして。クラスの大掃除は、花壇の手入れが私こと早瀬の持ち場にさせていただきました。
せっせとやっていたら、どうやら廊下掃除の担当だった佐倉さんに発見されて今に至ります。
『花壇は冬場は特に使わないので。土の手入れを…』
「土を耕すん?それ一人じゃ大変やん!ウチも手伝う!」
『えっ?いや、そっちの掃除は、』
「ほら、棗もるかぴょんも行くで!」
「えっ?いや、佐倉。ここの掃除は、」
「他の子にも声かけてくるわー!」
うん。あの。
人の話、最後まで聞いて?
そんな心の声はきっと、流架君も一字一句違わなかった筈。何で心の声かって。実際に声に上げても。届かないんだろうな感が、あったので。
「それーっ!」
「ちょっと佐倉さん!周り見なさいよ!こっちに土飛ばさないで!」
「ふーんだ!パーマなんかアリス使って素手で土掘りすればいいんや!」
「何ですって!?」
「真理だ」
「ねーもうスコップないのー?」
そんな訳で。花壇周辺には、いつもの初等部B組のメンツが集合。
『あっという間に大所帯になりました』
「早瀬。肥料等も一緒に持ってきた。土を起こすのと一緒に混ぜると、土の質が良くなる」
『ありがとうございます、岬先生。まさか先生も来てくれるとは思ってませんでした』
「佐倉蜜柑、だったか。彼女が凄い勢いで来てだな…」
『重ね重ねありがとうございます…』
温室も管理しているようですから、そっちの掃除もあるでしょうに。
勢いで言いくるめられてしまったんですね。押しにちょっと弱いくせに、肥料をわざわざ持ってきてくれる気遣いをしてくれる辺り。
流石、女生徒をザワめかせるだけあります。
「…早瀬は。変わったな」
『私がですか?』
「俺は担任じゃないから早瀬の事をしっかり見ていた訳じゃないが…誰かといる事が、増えたように思う」
『そうですかね…?どちらかというと、岬先生と同じように佐倉さんの勢いに気おされたからなので。私自身は、何も』
「そんな事はない」
あまりにもきっぱりと言い切るので、驚いて顔を上げると。
本人も驚いたのか、しどろもどろとしながらモジモジしてました。
何ですかこの先生は。成人男子のくせしてそんな仕草をするとか。しかもそれが一部女子にウケそうな萌え具合だとか。
天は気に入った人間には色々分け与えちゃうわけですねそうですか。私にも分けてくださいこんちきしょー。
「花壇によく一人でいる早瀬の事は、知ってた」
『そうだったんですか?あぁ…そういえば、温室からはそんなに離れてないですね』
「そう。時々見掛ける事はあったんだ。言おうとは思っていたんだが…眼鏡、本当にすまなかった」
『不思議ですね。岬先生がうっかり踏み抜いたのが、物凄く昔の出来事のように感じます』
「それ位に色々あったんだろう。その度に、乗り越えたのは確実に早瀬の力だと思う。それが今…誰に言われた訳でもないのに、こうやって皆で集まって何かが出来る事に繋がってると俺は思うよ。だから、早瀬」
頑張ったな。
そんな労いと一緒に、軽く頭をぽんぽんと叩かれました。
頭に触れられるまで、手が上がってたのに気が付きませんでした。
岬先生は不思議です。触れられたその手は、少しも怖くない。
「由香ちゃん~っ」
「今岬先生に頭撫でられてたよねっ?うらやま…っじゃなくて。何のお話してたのーっ」
『小笠原さんに、梅ノ宮さん』
「ちっ、違うぞ!これは違う!そうっ。早瀬が花壇の掃除に気が付いてくれてありがたかった礼というか…!」
『あれ、そんな話でしたっけ』
「それもある!」
『え、そうでしたっけか。ちょっと待って下さい。今スクロールして振り返るので』
「どうして岬先生そんなに焦ってんですかーっ」
「本当は何ですかっ?」
「う…っ。そ、そんなに詰め寄らなくても…!」
女子の恋するパワーは凄まじいです。
岬先生が押されてますよ。まぁ女子苦手と言ってたので、それもあると思いますけど。
そういう所がまた一部女子に…。天は気に入った人間には…以下略。
『この半年間を労ってくれた感じですかね?』
「そう!それだ!!」
『ふはっ。岬先生、いかんせん必死過ぎます…っ』
「笑うな早瀬…っ!」
睨まれましたけど。顔が真っ赤で、照れてしまっているのが丸分かりでちっとも怖くありません。
不思議で、何だか可愛い人だなんて言ったら失礼でしょうから。流石に言いませんでした。
そしていかんせん油を売りすぎで手が止まっているとどやされるのは、もう間もなくの事でした。
クラス別の大掃除に勤しんでいた時の事です。
『あ、そうだ』
京都に行こう。ではなく。
大掃除をするのなら、一緒に綺麗にしておきたい場所を思い出しました。
え、どうして京都なのかって?
そんなフレーズありませんでしたっけか。
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「あれー?由香ちゃん!そんな所で何しとるん?」
『…佐倉さん』
「由香ちゃんって、ウチの顔見ると時々変な顔するの何でなん?」
大半はトラブルも一緒に引き連れて来るからです。
とは、みなまで言わず。適当に笑って誤魔化しました。
場所は、花壇。季節は冬の上、お休みに入ると手入れが難しくなると思い至ったので。
そこで副担に相談しまして。クラスの大掃除は、花壇の手入れが私こと早瀬の持ち場にさせていただきました。
せっせとやっていたら、どうやら廊下掃除の担当だった佐倉さんに発見されて今に至ります。
『花壇は冬場は特に使わないので。土の手入れを…』
「土を耕すん?それ一人じゃ大変やん!ウチも手伝う!」
『えっ?いや、そっちの掃除は、』
「ほら、棗もるかぴょんも行くで!」
「えっ?いや、佐倉。ここの掃除は、」
「他の子にも声かけてくるわー!」
うん。あの。
人の話、最後まで聞いて?
そんな心の声はきっと、流架君も一字一句違わなかった筈。何で心の声かって。実際に声に上げても。届かないんだろうな感が、あったので。
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「それーっ!」
「ちょっと佐倉さん!周り見なさいよ!こっちに土飛ばさないで!」
「ふーんだ!パーマなんかアリス使って素手で土掘りすればいいんや!」
「何ですって!?」
「真理だ」
「ねーもうスコップないのー?」
そんな訳で。花壇周辺には、いつもの初等部B組のメンツが集合。
『あっという間に大所帯になりました』
「早瀬。肥料等も一緒に持ってきた。土を起こすのと一緒に混ぜると、土の質が良くなる」
『ありがとうございます、岬先生。まさか先生も来てくれるとは思ってませんでした』
「佐倉蜜柑、だったか。彼女が凄い勢いで来てだな…」
『重ね重ねありがとうございます…』
温室も管理しているようですから、そっちの掃除もあるでしょうに。
勢いで言いくるめられてしまったんですね。押しにちょっと弱いくせに、肥料をわざわざ持ってきてくれる気遣いをしてくれる辺り。
流石、女生徒をザワめかせるだけあります。
「…早瀬は。変わったな」
『私がですか?』
「俺は担任じゃないから早瀬の事をしっかり見ていた訳じゃないが…誰かといる事が、増えたように思う」
『そうですかね…?どちらかというと、岬先生と同じように佐倉さんの勢いに気おされたからなので。私自身は、何も』
「そんな事はない」
あまりにもきっぱりと言い切るので、驚いて顔を上げると。
本人も驚いたのか、しどろもどろとしながらモジモジしてました。
何ですかこの先生は。成人男子のくせしてそんな仕草をするとか。しかもそれが一部女子にウケそうな萌え具合だとか。
天は気に入った人間には色々分け与えちゃうわけですねそうですか。私にも分けてくださいこんちきしょー。
「花壇によく一人でいる早瀬の事は、知ってた」
『そうだったんですか?あぁ…そういえば、温室からはそんなに離れてないですね』
「そう。時々見掛ける事はあったんだ。言おうとは思っていたんだが…眼鏡、本当にすまなかった」
『不思議ですね。岬先生がうっかり踏み抜いたのが、物凄く昔の出来事のように感じます』
「それ位に色々あったんだろう。その度に、乗り越えたのは確実に早瀬の力だと思う。それが今…誰に言われた訳でもないのに、こうやって皆で集まって何かが出来る事に繋がってると俺は思うよ。だから、早瀬」
頑張ったな。
そんな労いと一緒に、軽く頭をぽんぽんと叩かれました。
頭に触れられるまで、手が上がってたのに気が付きませんでした。
岬先生は不思議です。触れられたその手は、少しも怖くない。
「由香ちゃん~っ」
「今岬先生に頭撫でられてたよねっ?うらやま…っじゃなくて。何のお話してたのーっ」
『小笠原さんに、梅ノ宮さん』
「ちっ、違うぞ!これは違う!そうっ。早瀬が花壇の掃除に気が付いてくれてありがたかった礼というか…!」
『あれ、そんな話でしたっけ』
「それもある!」
『え、そうでしたっけか。ちょっと待って下さい。今スクロールして振り返るので』
「どうして岬先生そんなに焦ってんですかーっ」
「本当は何ですかっ?」
「う…っ。そ、そんなに詰め寄らなくても…!」
女子の恋するパワーは凄まじいです。
岬先生が押されてますよ。まぁ女子苦手と言ってたので、それもあると思いますけど。
そういう所がまた一部女子に…。天は気に入った人間には…以下略。
『この半年間を労ってくれた感じですかね?』
「そう!それだ!!」
『ふはっ。岬先生、いかんせん必死過ぎます…っ』
「笑うな早瀬…っ!」
睨まれましたけど。顔が真っ赤で、照れてしまっているのが丸分かりでちっとも怖くありません。
不思議で、何だか可愛い人だなんて言ったら失礼でしょうから。流石に言いませんでした。
そしていかんせん油を売りすぎで手が止まっているとどやされるのは、もう間もなくの事でした。